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<防衛装備庁>研究委託海外にも 公募対象拡大を検討

6/14(水) 7:30配信

毎日新聞

 防衛装備品に応用できる先端研究を大学などから公募して研究委託費を出す「安全保障技術研究推進制度」について、防衛装備庁は国際的な制度へ拡張する検討を始めた。現在は国内に限っている委託先を海外の大学や企業に広げることを想定する。同制度には「軍事研究に当たる」などの批判が強く、科学者の代表機関・日本学術会議が3月、「学術の健全な発展という見地から問題が多い」との声明を出しており、同庁の方針は波紋を広げそうだ。

 同制度には「研究代表者は日本国籍が必要」などの公募規定があり、対象は日本の大学や研究機関、企業に限られている。だが、同庁は安全保障に関わる技術の優位性を維持・向上するために幅広く先端的な基礎研究を募る必要があると判断。米軍が海外の研究者に研究資金を出している制度などを参考にするほか、米国など同盟国との共同の資金制度にすることも視野に入れるという。

 同庁の外園(ほかぞの)博一・防衛技監は13日、千葉市で開催中の海洋分野の国際装備見本市「MAST Asia」で講演し、各国の軍や軍事企業の関係者らを前に「制度を国際的にファンド(助成)できるよう成長させたい」と述べた。

 軍事研究に反対する池内了・名古屋大名誉教授(宇宙物理学)は「どこまで米国をまねるのか。集団的自衛権で同盟国との一体化が進む流れの中に位置付けられ、装備品の共同開発も念頭に置いた危険な動きだと感じる」と批判する。

 一方、元海上自衛隊自衛艦隊司令官の香田洋二氏は「全ての技術は使い方の問題であり、海外から研究を公募することも国益上何ら問題ない。ただ、現制度の予算規模や仕組みでは海外の有力大学には物足りず応募はしないだろう」と語る。【千葉紀和】

 ◇ことば【安全保障技術研究推進制度】

 防衛技術に応用できる先端的な基礎研究を大学や企業などに委託する公募制度。防衛省がテーマを決め、防衛装備庁が運用する。2015年度に開始され、予算は15年度3億円、16年度6億円から今年度は110億円に急増した。15、16年度に高出力レーザーなど19件(うち大学9件)が採択された。

最終更新:6/14(水) 7:30
毎日新聞