ここから本文です

「GM交代よりコーチ配転を」 巨人“最大の病巣”をOB指摘

6/14(水) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 粛清人事の第1弾ということなのだろう。12日、「巨人激震人事!! GM交代へ」と報じた日刊スポーツによれば、球団ワーストの13連敗を記録したチーム低迷の責任を問う声が読売新聞グループ本社の間で大きくなり、編成トップの堤辰佳GM(51)が退任する可能性が高まったという。

 同紙は「異例のシーズン途中」と書いたが、球団内では1カ月以上も前から「堤さんが解任されるかもしれない」と囁かれ、日刊ゲンダイは5月13日付で「巨人 早まる鹿取GM誕生」と、今年4月にフロント入りした元ヘッドコーチの鹿取義隆GM特別補佐(60)の昇格案が浮上していることを報じている。

「実際にGM交代の引き金をひいたのは、チームが球団ワースト記録を更新する12連敗を喫した7日の西武戦と、その翌日の一部スポーツ紙の記事ではないかとみられています。球団首脳が現場にしらけた空気を流している、と老川オーナーを名指しで批判した記事がそれです。オーナーが試合前に何度も首脳陣、選手らを招集し、低迷する視聴率やチケット売り上げの話を持ち出して、現場の士気を下げているという内容。同じ日に同じようなエピソードを使った批判記事が別のスポーツ紙にも載って、読売関係者が『誰かが意図的に書かせた記事ではないか』と怒っているという話を聞いた。オーナーの訓示は首脳陣、選手のほとんど全員が聞かされた。どこから漏れても不思議はないのに、あるいは堤GMが疑われたのではないか、といわれているのです」(日本テレビ関係者)

■親会社が現場に口出しする構造

 理由はどうあれ、この時期のGMの交代はスケープゴートでしかない。連敗ワースト記録の責任を誰かに取らせなければ体面が悪い。かといって、半ばムリヤリ就任させた3年契約2年目の高橋由伸監督(42)には取らせられない。だからGMに責任を押し付けようというわけだ。

 巨人OBの評論家、高橋善正氏がこう嘆く。

「この時期にGMを代えたところで何ができるというのか。今年は開幕から4人の助っ人は機能していて外国人枠は満員。新助っ人は必要ないし、トレードはたかがしれている。今の惨状を打破するには、私はコーチの配置転換しかないと思う。川相(三軍監督)、斎藤(二軍監督)、田代(二軍打撃コーチ)ら、経験のある首脳陣を昇格させて現場に刺激を与えること。ただ、コーチ人事や配置転換一つ取っても、実際はGMには権限がないのが巨人というところ。かつて清武GMが揉めたのもコーチ人事が発端だった。巨人はいつも読売上層部の意向が最優先。親会社が現場に口出しするような構造が、一番大きな問題なんです」

 GMとは本来、監督、コーチ、選手らの人事権を持ち、ドラフトやトレードなどチームづくり、編成面の最高責任者である。しかし、巨人の場合はそうではない。チーム低迷の大きな要因とされる陽岱鋼、山口俊、森福の3人を総額27億円で獲得したオフのFA補強の失敗にしても、渡辺恒雄読売新聞グループ本社代表取締役主筆(91)が昨夏に「やっぱりこれはね、由伸(高橋監督)の責任じゃないからな。フロントだよ。補強してないんだから。こんな補強せずに、今の陣容で勝てったって無理だよ」と大号令をかけたのが発端である。

 球団内には「堤GMは昨年から三軍を立ち上げ、今年からスカウト体制も一新している。育成に目を向け、巨人が弱いと指摘されている部分にメスを入れてはいた。今は結果が出ていないけど、せっかく進み出したGMの改革事業が一時、もしくは全面ストップする可能性があります」と懸念する声も上がる。

 前出の高橋氏が続ける。 

「三軍の育成体制が一軍に波及するには、少なくても3年から5年は時間が必要。それを現GMは就任から2年ではしごを外された。巨人で初めて選手出身の鹿取GMが誕生するならOBとして期待する。しかし、彼のキャリアを生かした権限を持たせることが成功の第一条件でしょう。親会社は口出しせず、新GMに長期的な視野でチームづくりを任せられるルールが必要です。今のままでは結局、誰がGMをやっても同じことですから」

 最大の病巣はどこにあるのか。巨人の人間はみんな知っている。

スポーツナビ 野球情報

MLB 日本人選手出場試合6/25(日) 20:00