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フランスベッド赤ちゃん型ロボ「たあたん」の“抱き効果”

6/14(水) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 寝具大手のフランスベッド(東京・新宿区)は、先月、認知症患者向けに、赤ちゃん型ロボット「泣き笑いたあたん」(税込み1万5984円)の発売を開始した。ドールセラピーという手法で、本物の赤ちゃんの声を使用した泣き声と笑い声が、利用者の感情に訴えかけ、積極的な行動や感情を促すという。

 どんな機能があるのだろうか。日刊ゲンダイの記者が「たあたん」を抱いてみた。

 身長47センチで、肌触りも本物の赤ちゃんを思わせる。体重は高齢者に負担にならないよう、1.4キロと軽くしているため、ズッシリした感じはない。背中のスリープモードをオフにすると、「アーン」「キャキャ」と、泣いたり、笑ったりを繰り返す。思わず顔がほころぶ。寝かすと目を閉じ、起こすと目を開ける。じっと「たあたん」の顔を見ると眉毛がない。機能はたったこれだけだ。フランスベッドホールディングスの広報担当者はこう言う。

「泣いて、笑ってだけで、複雑な機能はありません。もっとも赤ちゃんなのでそもそも会話はできないのですが。単純な声をきっかけに利用者がいろいろ想像して、主体的に考えることができるのです。眉毛を入れると、表情が“固定”されてしまい、利用者の想像の余地を狭めてしまいます」

■認知症患者は世話心がくすぐられる

 認知症患者の急増は深刻だ。内閣府の試算によると、昨年の認知症患者数は約500万人だが、25年には700万人になると推計されている。65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症患者ということになる。

 フランスベッドでは、販売に先だって特別養護老人ホームでモニター試験を行った。会話や笑顔が増えたり、中には夜の徘徊がおさまったケースもあった。さらに介護スタッフも、たあたんを通じて、患者とのコミュニケーションがやりやすくなったという。

「認知症の進行が中度の方に効果的です。重度の方はなかなか扱えませんし、逆に初期の認知症患者だと、しょせん人形だと、シラけてしまう。認知症患者はもっぱら“お世話”をされる立場なのですが、たあたんに対しては、“お世話をしたい”という気持ちになれる。自分が必要とされていると実感できるようです」(前出の広報担当者)

 この赤ちゃん“ただ者”じゃない。