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「既婚者は独身者より心臓発作の生存率が14%高い」? 配偶者からの精神的支援がカギ

6/14(水) 17:40配信

ZUU online

「既婚者は独身者よりも、心臓発作で生き残る確率が14%高い」という報告書を、英国の医大、アシュトン・メディカル・スクールとイースト・アングリア大学が共同発表した。「入院の平均期間も2日少ない」ことも明らかになっている。

調査は2000年から2013年にわたり、慢性疾患と診断された英北部の92万9552人の患者の情報を分析したものだ。決定的な要因は明確にされていないものの、「配偶者による肉体的サポートだけではなく、精神面での支援も大きい」という過去の調査結果の裏づけとなる。

■高コレステロール値の生存率は既婚者のほうが16%高い

アシュトンは併存疾患の生存率などを分析する調査機関ACALMを通し、婚姻状態と慢性疾患の関連性について複数の調査を実施してきた。

最新の調査では、高血圧症(16万8431人)、2型糖尿病(6万8098人)、高脂血症(5万3055人)の患者のデータに焦点を当てている。

その結果、例えばコレステロール値の高い50代から70代の患者を比較した場合、既婚者の方が16%生存率が高いことなどが判明した。

全症状を通して、同様の差異が見られることから、調査を先導したポール・カーター博士は、「結婚しているという事実が、生存率に何らかの恩恵をもたらしていることは間違いない」とポジティブにとらえている。その一方で、今後はさらに研究の視野を広げ、確固たる根拠を追求する意向だ。

既婚者の生存率を同棲・別居・離婚・死別者と細かく比べた場合、差異はそれほどでもなく、これらの既婚者の心理状態(結婚生活における幸福度など)が不明である点も、解明すべき課題だろう。

■最も長期入院しやすいのは別居者と死別者

アシュトンは既婚者の生存率が上がるという統計が、配偶者からの精神的支援に起因するところが大きいと見なしている。

勿論、一般的に既婚者の方が「健康増進や食生活の管理を含めた予防対策に取り組みやすい」「症状の悪化などに家族が気が付きやすい」環境で生活していることも、貢献しているものと思われる。

調査ではほかにも入院期間の差異 が指摘されている。未婚者が平均8.2日間入院しているのに対し、既婚者は6.1日と2日間も少ない。最も長期入院しやすいのは別居者で10.5日、死別者が10.0日という結果だ。

■結婚生活でがんも乗り切りやすくなる?

「結婚で寿命が延びる」という報告は、多数の研究機関から聞かれる。

カリフォルニア州公衆衛生局は2000年から2009年にかけて80万人のがん患者のデータを分析。「独身のがん患者は既婚のがん患者に比べて、白人男性は24%、白人女性は17%死亡率が高い 」という報告書を2016年に発表した。

しかしこの調査では婚姻状態による影響が、人種や性別によって異なるという興味深い事実も分かっている。一例を挙げると、非米国系ヒスパニックやアジア太平洋地域の独身女性患者の死亡率は、既婚女性患者と比べてわずか6%高いだけだ。

現時点ではあくまで統計上の結果ではあるが、研究の継続により、科学的な根拠が発見されるかもしれない。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

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最終更新:6/14(水) 17:40
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