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アルゼンチンアリの根絶、残存確率の推定方法を開発

6/14(水) 8:48配信

朝日新聞デジタル

 南米原産のアルゼンチンアリを根絶したかを評価する方法を、国立環境研究所が開発した。アルゼンチンアリは生態系や人、農作物に被害を及ぼす恐れがあるが、女王アリが多く繁殖力が高いため、確実に防除できたか判断が難しかった。英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表した。この手法は、5月末に兵庫県で国内初確認された強毒のヒアリなどにも応用できるという。

【写真】アルゼンチンアリ=国立環境研究所提供

 アルゼンチンアリは茶色で体長約2・5ミリ。人や物にくっついて移動し、海を越えて欧州やアフリカなどに生息域を広げてきた。日本では1993年に広島県で発見され、東京都や大阪府など12都府県で定着が確認された。2005年に外来生物法に基づく特定外来生物に指定され、輸入や飼育が原則禁止されている。

 国環研や環境省は11年から、都内の2カ所で殺虫剤を使った防除を始めた。約4年間活動を続け、モニタリング調査で個体を確認できなくなったが、もし残っていれば、再び繁殖する。

 そこでモニタリングのデータを使って、残存する確率を統計学的に推定する方法を開発した。その結果、防除を始めて20カ月後から確率は大幅に減り、38~42カ月後には「根絶成功」の基準となる1%を下回った。効率よい防除にも役立つという。

 国環研の坂本佳子研究員は「これまでは防除を終えた後で残存個体が見つかった例もあり、根絶できたかの判断が『感覚的』だった部分がある。根拠に基づいた手法を広げ、国内根絶を目指したい」と話している。(戸田政考)

朝日新聞社