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巨人を覆う堤GM退任ショック

6/14(水) 16:45配信

東スポWeb

 巨人が13日のソフトバンク戦(東京ドーム)に5―1で勝ち、本拠地での連敗を「8」で止めた。試合はエースの菅野が奮投し、2桁安打を放った攻撃陣は、主軸と若手が絡み合う理想的な展開。この日発表となった鹿取新GM体制の船出を白星で飾った。だがナインの多くが抱えていたのは、試合前に笑顔で球場を去った堤辰佳前GM(51)への複雑な感情。高橋由伸監督(42)にとっても、特別な勝利となった。

 投げては菅野が9回3安打で1失点完投で7勝目。3安打2打点の主将・坂本に引っ張られた打線は、若い山本がチャンスメークし、重信が2盗塁を決めるなど、これまでの低迷ぶりがウソのように躍動した。「陽岱鋼プレーヤーズデー」だったこの日は、山口俊が合流。森福も含め、出遅れていたFAトリオも、ようやく一軍に顔を揃えた。

 久々の本拠地勝利とあって、由伸監督も「菅野は“らしいピッチング”をしてくれた。坂本が打つとチームに勢いが出てくる。いいヒットがたくさん出た」と納得の表情だった。

 だが、鮮やかな勝利の裏で、ナインは突然の「GM交代」という電撃発表に大きく揺れていた。本紙を含め、一報が流れた前日12日はナインに動揺が走り、関係者に手当たり次第連絡して情報収集する選手も数人いたほどだった。

 試合前に堤氏が東京ドームを訪れ、現場にGM退任を正式に報告。本人は努めて明るく振る舞い「(選手には)『頑張ってね~』って。いろいろな反応はありましたけど…」と冗談めかしたが、現場は重い空気に包まれた。

 新聞社出身の“お硬い背広組”の印象がある堤氏だが、現場の人望は厚かった。やむなく戦力外通告した選手の再就職先の世話を焼き、時には酒席をともにして家族の悩み、恋人とのトラブル相談にも親身に乗った。それだけに、同氏の退団にショックを受けた関係者は少なくなかった。

 試合後、選手を代表して取材に応じた長野も、神妙な表情だった。「堤さんとは選手会長として話させてもらう機会が多かったですし、個人的にもチームに貢献できていないので、お世話になったのに本当に申し訳ないという気持ちしかないです」と頭を下げた。

 由伸監督にとっても堤氏は慶大野球部の先輩にあたり、現役時代から関係は深い。感極まった目で「私たちの力のなさでこういう形になってしまいました。ただ、試合はこれからも続くわけですから、与えられたこと、できることを我々は精一杯やっていくしかない」と静かに語った。

 今、現場の最大の関心事は「鹿取GMとは、どんな人なのか」ということ。前任の堤氏と交わした契約交渉上のやりとりや、プライベートの相談事の続きはどうなってしまうのか…。不安に駆られている選手や関係者は数多い。突然の新GM体制発足で、現場はしばらく落ち着かない日々が続きそうだ。

最終更新:6/14(水) 17:28
東スポWeb

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