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ゲスタンプ社リベラスCEO「日本メーカーへの売上を倍増したい」…R&Dセンター開設で

6/14(水) 21:52配信

レスポンス

スペインの自動車用プレス部品メーカー、ゲスタンプ社のフランシスコ・J・リベラス会長兼CEO(最高経営責任者)は6月14日、都内に開設したR&Dセンターで報道陣の囲み取材に応じ、日本の売上高を早期に倍に引き上げたいとの考えを示した。

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ゲスタンプ社は鋼板を900度まで加熱した状態でプレス加工した上で急速に冷やすことにより強度が高く軽量な製品を造るホットスタンプ(熱間プレス)技術に強みを持つ。1997年の創業ながら、すでに21か国に101の工場とR&Dセンターを構え、2016年の売上高は75億ユーロと年率21%もの急成長を遂げている。

ゲスタンプ社は2009年に完成車メーカーの開発部門にエンジニアを派遣する形で日本市場に参入したが、6月14日に日本初のR&Dセンターの開所式を行ったのに続いて、2018年夏には三重県松阪市に建設中のホットスタンプの工場が稼働する計画になっている。

日本市場への投資を積極化していることについてリベラスCEOは「日本の顧客においてホットスタンプのニーズがあるということを我々は察知して、このタイミングで工場を松阪市に設けることにした」と説明。

というのも「既存のコールドスタンプ(冷間プレス)の技術には限度があり、強度の高い部品は造りにくい。しかし自動車業界が求めているものは衝突安全性がより高く、なおかつ軽量なものとなっている。従来通りのコールドスタンプでやろうとするとアルミや炭素繊維を使う必要があるが、これらの素材は現在のところまだ高価」であることが背景にあるからだ。

その上でリベラスCEOは「世界で販売されているクルマの29%、2500万台を日本の完成車メーカーが供給している。これに対し現在我々が製品を供給している完成車メーカーへの売上高のうち日本メーカー向けはわずか7%にとどまっている。日本メーカーへの売上をできるだけ早く2倍にしていきたいと考えている」と述べた。

さらに「日本のサプライヤーも大変質や生産性も高い技術を持っているが、ホットスタンプに関してはあまり経験を積んでいないといえる。それに対しゲスタンプはホットスタンプのグローバルリーダーで、ゲスタンプのホットスタンプは第4世代のものとなっている。しかも我々はホットスタンプに必要な設備や工具を自前で造る能力も持っているので、そこが他社にはない大きな強みであると考えている」と強調した。

東京駅に隣接するビル内に開設したR&Dセンターには仮想衝突試験やホットスタンプ工程のシミュレーション設備などを備え、シャシーとボディの包括的な開発体制が整えられている。現在、日本メーカーとは10件の共同開発プリジェクトが進行中という。

リベラスCEOは「日本にR&Dセンターを設立するとともに、すでに以前から日本のOEMに対しオンサイトでゲストエンジニアを派遣しているが、この2つのルートから日本のOEMを吸い上げていきたいと思っている」と話した。

また本社でボディ担当のR&Dゼネラルディレクターを務めるイグナシオ・マルティン氏は日本のR&Dセンターの役割について「B、Cおよびプレミアムセグメントでホットスタンプの技術を駆使した部品を提供する。また日本特殊の亜鉛メッキへの対応や、1900MPa相当のかなり強度の高い素材の開発も進めていく。また新しいプロセスとしては生産性を上げるためのマルチステップ技法なども注目していきたい」と述べていた。

《レスポンス 小松哲也》

最終更新:6/14(水) 21:52
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