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滝畑ダムで熟成の日本酒、「うまみ」含むアミノ酸成分含有量に変化 大阪

6/14(水) 7:55配信

産経新聞

 ■商品化へ着実な一歩

 府内最大の多目的コンクリートダム「滝畑ダム」(河内長野市)を舞台に進められている地酒の熟成実験をめぐり、計画に参加している同市の老舗蔵元「西條合資会社」(同市)で、結果報告会が行われた。湖底や敷地内のトンネルで熟成した酒の味に劇的な変化はなかったものの、一方で「うまみ」も含む成分の含有量に変化があった酒が確認されるなど、今後に向けて着実な一歩を残した。 

 実験は地酒を新たな観光資源のひとつにしようと河内長野市と西條合資会社、ダムを管理する府が協力して実現した。

 昨年末から始まった実験では特別純米酒、吟醸原酒、本醸造とタイプの異なる日本酒3種類を2本ずつ、計6本を1組として2セット準備。それぞれがダム建設時に使われたトンネルの奥とダム湖底(水深約30メートル)で約5カ月間熟成された。また、比較対照として、社内の蔵でもダムで寝かせたものと同種の酒を熟成していた。

 機械を使って分析した府立環境農林水産総合研究所(羽曳野市)の調査によると、湖底やトンネル内、蔵の中と異なる条件下で熟成した酒を比べた場合、湖底やトンネルなど3条件のもとでの酒(3タイプ)の味の変化を「うまみ」や「塩味」、「酸味」といった九角形のグラフがほとんど重なる形になるなど、味に「劇的な」変化はみられなかった。

 一方で、湖底で熟成した特別純米酒については「うまみ」も含むアミノ酸成分の含有量に変化がみられた。特別純米酒は醸造用アルコールを含まないため、環境が変わることで味も大きく変化するという。

 同社蔵主の西條陽三さん(53)は結果に手応えを感じつつ「ここまできたら、やるしかない」と強調。化学的な調査と併せ、同社で実施した利き酒では「角の取れたまったりとした味わい」(西條さん)だったことが確認済み。ダムのトンネルや湖底を活用した熟成については課題も残るが、西條さんは「何があっても商品化したい。『プレミアム地酒』として名をはせられるように」と意欲を示した。

 ダムを利用した酒類の貯蔵をめぐっては、札幌市の豊平峡ダムや新潟県の三国川ダムなどでの例があるが、いずれも湖底ではなく、トンネルを活用している。(藤崎真生)

最終更新:6/14(水) 7:55
産経新聞