ここから本文です

佐渡汽船・赤泊-寺泊航路 黒字化困難、廃止も視野 新潟県・関係自治体、維持探り協議へ 

6/14(水) 7:55配信

産経新聞

 佐渡島南部の赤泊(佐渡市)と寺泊(長岡市)を1時間5分で結ぶ佐渡汽船の航路が、存続の危機に直面している。近年の赤字は年間約2億円にのぼっており、状況が改善する見通しが立たず、同社は廃止も視野に対応策の検討を進めている。地域の足として同航路を重要視する関係自治体や県は、存続の道を探るため調整に乗り出す構えだ。

 同航路には高速船「あいびす」1隻だけが就航。1日2往復し、6月のダイヤは赤泊発便が午前6時台と午後4時台、寺泊発便は午前9時台と午後5時台となっている。

 同社によると、昭和48年に開設された同航路は収益性が低く、利用者が過去最高の7万人超となった平成6年も赤字だった。

 コスト圧縮のため、17年に就航船をカーフェリーから高速船に変更。さらに21年には通年運航の取りやめに踏み切り、冬季を除く3~11月の9カ月間の運航に変え、悪天候などによる欠航の抑制を図った。昨年からは4月末~10月初めと運航期間をさらに縮め、就航率の向上を目指した。

 この結果、28年の就航率は前年比5ポイント増の88%と効果は表れたものの、利用者は約2万人と最盛期の3分の1以下にとどまったままで、黒字化は難しい状況が続いている。

 同社の28年12月期の連結決算は売上高が前期比6・4%減の109億円、最終損益は5億2900万円の赤字と、会社全体の経営状況も思わしくない。取材に対し、同社経営企画部の渡辺幸計(ゆきえ)部長は「方向性は固まっていないが、赤字航路の見直しは経営課題の一つだ」としながらも、今後の対応については「関係自治体などと議論を重ねたい」と説明するにとどめた。

 もし廃止となれば、長岡市と佐渡島の往来に大きな影響が出るのは避けられない。長岡市の磯田達伸市長は「存続を希望している。佐渡市と長岡市でコミュニケーションを取り、知事にどう要望していくか調整したい」と話す。

 一方、佐渡市交通政策課の担当者は「佐渡汽船から正式な申し入れはない」として、コメントを控えた。

 米山隆一知事は7日の記者会見で「佐渡汽船の経営状況の厳しさは承知している。地元の要望を聞きながら、県として合理的な解決法を見つけたい」と表明。佐渡汽船と住民代表、佐渡と長岡の両市、県が協議する場を設け、調整を進める考えを示した。(市川雄二)

最終更新:6/14(水) 7:55
産経新聞

Yahoo!ニュースからのお知らせ