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「栄誉ある勲章に感謝」 殉職の消防隊員に叙勲伝達 長野

6/14(水) 7:55配信

産経新聞

 3月5日に発生した県消防防災ヘリコプター「アルプス」の墜落事故で殉職した消防隊員への叙勲伝達式が13日、隊員らが所属した各消防本部で行われた。阿部守一知事から勲記や勲章を手渡された遺族は、多くの人命を救い災害に立ち向かった夫や息子の功績を喜びながらも、胸に迫る悲しみを懸命に乗り越えようとしていた。

 「栄誉ある勲章をいただき、本当に感謝している」「日ごろの訓練、救助の活動をしっかりやってきたことを認めていただけた」

 佐久広域連合消防本部(佐久市)から県消防防災航空隊に派遣されていた大工原正治さん=当時(42)=の妻と両親がこの日、報道陣の取材に応じ、旭日双光章を授与された感想を語った。

 ただ、一家の中心を失った衝撃と悲しみは計り知れない。妻は「3カ月たったところで、(夫が)亡くなった実感が込み上げてきた」と苦しい胸の内を明かした。母親も、遺影を見るたびに元気だった息子の姿を思い出すといい、「前を向こうという気持ちだが…。寂しいです」と声を振り絞った。

 父親は「消防防災航空隊の活動には真剣に取り組んでいた。『よく頑張った』と言ってあげたい」と、こみ上げる悲しみをこらえた。

 佐久消防本部で行われた伝達式には、約90人の同僚らも列席。阿部氏からの勲章伝達を熱い思いで見守った。会場に設けられた特設の展示スペース前では、大工原さんが事故当時に身につけていたヘルメットや、風防部分が欠落したゴーグル、時計などの遺品を前に、目頭を押さえる同僚もいた。

 このほか、北アルプス広域消防本部の伊藤渉さん=同(35)=には旭日単光章、長野市消防局の滝沢忠宏さん=同(47)=と、伊熊直人さん=同(35)=に旭日双光章が各消防本部でそれぞれ伝達された。

 上田地域広域連合消防本部の甲田道昭さん=同(40)、松本広域消防局の小口浩さん=同(42)=と高嶋典俊さん=同(37)=には14日に、旭日双光章が伝達される。

最終更新:6/14(水) 7:55
産経新聞