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中国、運河沿いの土地獲得狙う 外相「歴史的な瞬間」

6/14(水) 7:55配信

産経新聞

 【北京=西見由章】中国がパナマとの国交を樹立した背景には、台湾の蔡英文政権への圧力に加えて、世界的な物流拠点への投資を通じて自国の権益拡大を図る狙いもある。中国の国有企業はパナマ運河沿いの広大な土地の使用権獲得を狙っているとされ、米国などは中南米での中国の影響力拡大を警戒している。

 「歴史的な瞬間だ」。中国の王毅外相は13日、パナマのサインマロ副大統領兼外相と北京で開いた共同会見で“外交勝利”を誇示した。台湾と国交がある国のうち「最も影響力のある国の一つ」(環球時報)のパナマに断交を実現させた高揚感がにじむ。王氏は同時に貿易や投資、海事などの分野でパナマと協力を深める姿勢を強調した。

 中国はパナマ運河の発着国別の通過貨物量が米国に次ぐ2位の“得意客”だ。2016年6月に開かれた新運河の開通式では、中国国有の海運大手、中国遠洋運輸集団のコンテナ船が第1号の通航船となった。

 ロイター通信は3月、同集団や中国交通建設などの中国国有企業が、パナマ運河沿いの約1200ヘクタールを物流パークとして整備する計画に関心を示していると報じている。インフラ施設などの建設だけでなく、40年間の土地の使用権が入札にかけられる見通しという。

 中国は一方でパナマ運河に強い影響力を残す米国に対抗するため、中米ニカラグアでも14年から中国系企業による新運河の建設を開始し、1万人以上の中国人労働者を送り込んでいる。

 世界最大のエネルギー消費国である中国にとって資源とその輸送ルートの確保は死活的な課題だ。海運の要衝を抱え資源が豊富な中南米での影響力拡大を受け、米国もその動向を注視している。

最終更新:6/14(水) 8:31
産経新聞