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LINE、過去には個人情報流出 安全面で拭えぬ不信感

6/14(水) 7:55配信

産経新聞

 マイナンバーをめぐり政府が若者に人気のLINEと連携するのは、9月に個人向けサイト「マイナポータル」が本格運用するのに合わせて、一向に進まないマイナンバーカードの普及など制度の浸透につなげたい思惑があるからだ。ただ、LINEは個人情報の流出が発覚するなど安全面での脆弱(ぜいじゃく)性が危惧されており、浸透するかは未知数だ。

 マイナンバーとの連携は、LINE上で利用者が日頃から友人らと楽しんでいる「トーク」(対話)の形式を踏襲。利用者がマイナンバー制度をPRするウサギのキャラクター「マイナちゃん」と対話し、必要な情報を入力することで個人向けサイトに進む。

 対話の中で利用者が住む市区町村を入力すると、「児童手当の申請」や「乳幼児検診の通知」など自治体で対応しているサービスを表示する仕組みだ。LINE上で個人情報を入力することはなく、必要な申請はその後にアクセスする個人向けサイトで行われることになるという。

 マイナンバーとの連携は、「LINEを使って何でもできる」(出沢剛社長)とする“スマートポータル”の実現を目指すLINE側の思惑とも一致した格好だ。

 ただ、LINEは、手軽で便利な半面、安全性での問題点が指摘されている。昨年、iPhone(アイフォーン)版などでは、第三者にアカウントを乗っ取られ、やり取りを盗み見られる可能性がある不具合が発覚。タレントらの不倫騒動で、やりとりが流出して週刊誌に掲載され、危険性が注目された。

 LINEはその後、問題点を修正。6月9日を「サイバー防災の日」と定め、乗っ取りの被害を疑似体験できる動画を公開するなど、注意喚起を進めているが、不信感は拭えない。

 LINEは東京都渋谷区や福岡市と連携しているが、行政側からの情報発信が主でアプリでの行政手続きには至っていない。政府関係者はLINEとの連携に関し「セキュリティーの面から、マイナンバーでのもう一段の連携は難しいのではないか」と指摘する。

 個人向けサイトの利用が進むかどうかは、マイナンバー制度そのものの成否にも大きく影響しかねない。制度浸透に向け、LINEは「頼みの綱」だが、いったんトラブルが発生すれば、水泡に帰す可能性もある。(高橋寛次、大坪玲央)

最終更新:6/14(水) 7:55
産経新聞