ここから本文です

<共謀罪>オウム事件防げたか 被害者の永岡さん

6/14(水) 20:13配信

毎日新聞

 「共謀罪」があればオウム真理教による事件は防げたのか--。日本の犯罪史に名を残すテロ事件は国会審議でも議論の一つとなった。事件の被害者でオウム真理教家族の会(旧被害者の会)代表の永岡弘行さん(79)は、テロ対策の必要性に理解を示す一方、「共謀罪」法案を強引に押し切った政権の姿勢に危機感も示した。

 「同じような法律があれば、警察が聞く耳を持っていてくれたかもしれない」。永岡さんはオウム事件を振り返り、「共謀罪」法案のメリットをこう指摘する。

 長男の出家を機に1989年に被害者の会を結成し、坂本堤弁護士らと信者の脱会運動を始めた。だが、2週間後に坂本弁護士一家3人が自宅から失踪する。現場から教団のバッジが発見され、警察に何度もオウムの犯行を訴えたが動きは鈍かった。

 95年1月に自身も猛毒のVXで襲撃され一時意識不明となった。2カ月後、教団の犯罪は地下鉄サリン事件にエスカレートした。逮捕された教団幹部の供述から同年9月に坂本弁護士一家の遺体が発見された。永岡さんは「犯罪集団を取り締まる手段が増えることは被害者の視点からは良いこと。ただ、情報を適切に使えなければ、テロは防げないことはオウム事件が示している」と指摘する。

 戦争を体験した世代として権力が暴走する危険性も知っている。「国家権力は白を黒にできる力がある。与野党は互いをあげつらうのではなく、歩み寄りの議論はできなかったのか。法案の成立があまりに短兵急だ」【島田信幸】

最終更新:6/15(木) 10:33
毎日新聞

Yahoo!ニュースからのお知らせ