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会津文芸界に新風 17日クラブ発足 県文学賞受賞者有志20人

6/14(水) 11:17配信

福島民報

 会津地方の福島県文学賞受賞者約20人が集い、地域の文化振興に乗り出す。17日に会津文芸クラブを発足させ、総合文芸誌「会津文芸」を創刊する。一般市民にも入会を勧め、研修会や講演会を通して文芸愛好者の輪を広げていく。未来の文学界を担う青少年の育成も目指す。賞創立70年の節目に新たな文化の灯が会津にともる。
 県文学賞で正賞、準賞、奨励賞を受けた有志が会津文芸クラブに所属し、県川柳賞の受賞者も加わる。エッセイストの大石邦子さん、詩人の前田新さん(ともに会津美里町)ら県文学界の重鎮の名前が連なる予定だ。発足後は文学賞の入賞歴を問わずに会員を募り、会津文学界の裾野を広げていく。
 文芸誌は9月にも創刊し、年1回以上の発行を目指す。創刊号は会員が筆を執り、小説や詩、短歌、俳句などを寄せる。約200ページで500部発行し、市町村や学校に配るほか一部を販売する。
 編集作業には小説家の木村令胡さん、ライターの町田久次さん、随筆家の田辺賢行さん(ともに会津若松市)、エッセイストの鶴賀イチさん(会津美里町)らが当たる。地元の出版社・歴史春秋社が協力している。
 一方、研修会では互いの作品を評価し、完成度を引き上げる。準賞や奨励賞の受賞者は正賞を目標に研さんを積む。これから入賞を狙う愛好者も参加し、創作技術などを学ぶ。
 中高校生の発掘にも力を入れる。生徒の作品発表のため、文芸誌に青少年コーナーを開設できないか検討する。研修会にも招き、世代を超えて文学について語り合う。
 発起人代表を務める前田さんらの「文学賞を受けた者には文芸を通して地域文化を豊かにする使命もあるはずだ」との呼び掛けが文芸クラブ発足のきっかけとなった。17日に会津若松市で設立総会を開く。前田さんは「みんなで力を合わせ、会津の風土と歴史に育まれた表現文化を後世に伝えたい」と意気込んでいる。
 かつて会津地方では会津ペンクラブが文芸誌「盆地」を発行し、県文学賞の受賞者を次々と輩出した。既に解散したペンクラブに代わり、文芸クラブのメンバーが地域文学界をけん引する。
 県文化振興課の鶴見宏幸課長は「県文学賞の歴史の積み重ねが会津に新たな活動を芽生えさせた。若手の育成など期待したい」と歓迎している。
 会津文芸クラブの発起人は次の通り。
 大石邦子(昭和58年短歌部門正賞、会津美里町)前田新(60年詩部門正賞、同)木村令胡(平成21年小説・ドラマ部門正賞、会津若松市)町田久次(25年エッセー・ノンフィクション部門正賞、同)、田辺賢行(23年同部門準賞、同)鶴賀イチ(26年小説・ドラマ部門準賞など、会津美里町)阿部隆一(歴史春秋社)

■7月9日記念講演 県文学賞今年で創設70年

 県文学賞は昭和23年に創設され、正賞は県内文学界で最高の栄誉とされる。現在は小説・ドラマ、エッセー・ノンフィクション、詩、短歌、俳句の5部門がある。福島民報社と県の主催で、県教委の共催。
 第70回の今年度は7月31日まで作品を募集している。70周年の記念講演会とワークショップを7月9日に福島市太田町の民報ビルで開く。俳人の黛まどかさんが講演し、歌人斎藤芳生さんと俳人益永涼子さんが短歌・俳句を指導する。参加無料。いずれも問い合わせは県文化振興課 電話024(521)7154へ。

福島民報社

最終更新:6/14(水) 14:24
福島民報