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かしこい資産運用術を行動ファイナンスから考える

6/14(水) 18:25配信

投信1

「人々が宝くじを買うことはありえない」とするのは伝統的なファイナンス理論です。しかし、行動ファイナンスではその理由を説明してくれます。

今回は、伝統的なファイナンス理論では説明しきれない投資家の行動やその資産運用への影響と対処法を、行動ファイナンスの視点からご紹介したいと思います。

投資家は非合理的、ごく小さな確率を過大評価するくせがある

伝統的なファイナンス理論では投資家は合理的であると仮定されていますが、実際には必ずしも合理的ではありません。行動ファイナンスの特徴は、心理的な要素を取り入れ、投資家が常に合理的な判断を下しているわけではないことを前提としている点にあります。

たとえば、ごく小さな確率を過大評価する傾向があり、このことが人々が宝くじを買う背景にあるのではないかと考えられています。

宝くじの還元率は50%以下ですので、300円の宝くじの期待値は150円以下です。ほぼ確実に損をするわけですから、伝統的なファイナンス理論に従えば投資家が宝くじを買うことはありえません。

しかし、行動ファイナンスでは、実際には絶望的に低い高額当選の確率が過大評価されることで期待値がプラスになり、宝くじの購入を肯定することは可能としています。

利益は確実性を重視、損失は運を天にまかせる?

また、行動ファイナンスでは、投資家は利益と損失で非対称的な価値判断をしていると仮定しています。

簡単な例を挙げると、以下の2つの選択肢があるとします。
A:無条件で100万円を手に入れる
B:コインを投げて表なら200万円、裏だとゼロ円

この場合、期待値は100万円でどちらも同じですが、確実に手に入るAがより多く選択される傾向にあります。確実性を重視し、不確実性を嫌うことからリスク回避的な行動と考えられています。

次に、200万円の借金を抱える投資家に以下の2つの選択肢があるとします。
A:.無条件で100万円に減額される
B:コインを投げ表が出ると全額免除、裏だと借金は200万円のまま

この場合も期待値はマイナス100万円で同じですが、Bがより多く選択される傾向にあります。確実な損失を回避する行動であることから損失回避的な行動と呼ばれています。

非対称となる理由は、金額と価値観が比例しないからだと考えられています。200万円は100万円の倍の価値にはならず、たとえば1.8倍の価値だとすると、200万円の価値、1.8の50%は0.9にしかならず、100万円の1.0より価値が小さくなります。

同様に、200万円の損失のダメージは100万円の倍よりは小さいと考え、50%の確率で借金200万円のほうが確実な借金100万円より価値が高くなるわけです。

実際の投資に当てはめて考えると、利益については確実性が重視され、損失については不確実性、すなわち運を天にまかせる傾向にあることを示唆しています。

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最終更新:6/19(月) 18:25
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