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健聴者と競い県総体やり投げV 岐阜聾学校・梅本さん

6/14(水) 9:05配信

岐阜新聞Web

 岐阜聾(ろう)学校(岐阜市加納西丸町)の陸上部でやり投げに取り組む高等部2年の梅本峻さん(16)=本巣郡北方町=が、県高校総体で優勝を果たし、16日に開幕する東海総体に出場する。同校の生徒が健聴者と競い合い、県総体で優勝するのは初めて。「耳が不自由なことは、ハンディではない」と言い切る梅本さんの活躍は、同校の他の陸上部員の自信にもなっている。
 生まれつき耳が聞こえづらく、補聴器を着け、相手の口の動きを読んで会話をする。
 やり投げを始めたのは高等部に上がってから。中等部時代に野球で鍛えた肩に加え、陸上部顧問の南部好輝講師(29)が「自分自身で練習の課題や目標を考え、こつこつと取り組んでいる」と言う向上心の高さもあり、めきめきと記録を伸ばした。
 練習環境が恵まれていない点も乗り越えた。同校の運動場は狭く、50メートルの走路も十分に確保できない広さ。力いっぱいやりを投げることはできず、投てきフォームの確認や走り込み、筋力トレーニングに専念、強化合宿などへの参加で技術を磨いた。
 県総体を自己ベストの55メートル48センチで制し、「(障害や練習環境などを)何も言い訳にせず、できることに打ち込んだだけ。その成果が県総体で出たので、自信になった」と振り返る。3年生で陸上部主将の成瀬龍美さん(18)も「自分たちも頑張れるということを証明してくれた。優勝は自分のことのようにうれしかったし、勇気をもらった」と声を弾ませる。
 南部講師が「予想を超えた成長をしている。こんな成長物語はないと思う」とたたえる活躍。東海総体で6位以内に入賞すれば、全国総体に出場できる。
 梅本さんは「応援してくれるみんなに感謝の気持ちを伝えるためにも、精いっぱい頑張り、自己ベストを更新して全国総体に出たい」と力を込める。

岐阜新聞社

最終更新:6/14(水) 9:05
岐阜新聞Web