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熱中症 ご用心 救急搬送1割増、湿度高まれば危険

6/14(水) 7:01配信

日本農業新聞

 5月からの熱中症による救急搬送者が、前年を上回るペースで推移している。特に、気温が上がった5月下旬~6月上旬には前年の2倍を記録。各地で梅雨入りした6月上旬も全国で596人が搬送された。65歳以上の男性は女性の1.8倍熱中症になりやすいとのデータもあり、夏本番を前に、農作業中の小まめな水分補給や休憩が必要だ。

死亡 8割高齢者 男性発症率女性の1.8倍

 総務省消防庁が13日に発表した5月1日~6月11日の熱中症の救急搬送者は4295人に上り、前年の1割増のペースで推移する。梅雨入りして気温が落ち着いている時期だが、油断は禁物だ。熱中症は気温がそれほど高くなくても湿度が高いと起こりやすくなる。

 同庁は「梅雨時期には湿度が高くなり、熱中症になる恐れもある」として、「どの時期であっても予防が一番重要」(救急企画室)と強調する。特に高齢者は暑さを感じにくく、気付かないうちに発症している場合があるという。

 厚生労働省によると、熱中症による死亡者968人のうち、65歳以上の高齢者が8割を占める(2015年)。高齢者は体の反応が鈍くなっており、高温環境にいることに気付きにくいため、発症しやすくなるという。

 男性が熱中症にかかりやすいとの統計もある。同省によると男性の発症者の割合は人口10万人当たり46人で、女性と比べ1.8倍。理由は解明されていないが、「肉体的要素の他、女性は男性より小まめに水分を摂取する傾向があることから、結果として熱中症を防いでいるかもしれない」(健康課)と推測する。

 昨年4~10月に5万1026人が救急搬送されたが、この人数は救急車を利用せず病院に行った患者は含まれていない。同庁は「70万人以上が熱中症で通院した」とみる。

ハウス換気、水分補給 埼玉の農家対策に懸命

 埼玉県加須市で施設キュウリを36アール栽培する川島孝夫さん(65)は「年々早い時期から暑くなっているが、今年5月も特に暑かった」と振り返る。60歳以上の従業員5人を雇っている川島さんは「ハウス内の暑い仕事場では、働いてくれる従業員も長続きしないし、熱中症になりやすくなる」と、作業場での熱中症対策に人一倍気を使う。

 ハウスでは遮光カーテンや循環扇も使い、気温が30度を超えないようにしている。特に、直射日光を避けられる遮光カーテンは「あるとないとで暑さが違う」(川島さん)と効果を実感する。

 ハウス内での作業は午前7時30分から正午が基本だが、温度が上がってきた今は作業を30分前倒しして暑い時間を避け、早めに切り上げることもある。作業中は30分の休憩の他、暑さや従業員の体調を見て小まめに休憩し水分を取る。川島さんは「長時間作業をせず、無理せずに5分でも休めば違う」と強調する。

農作業中は注意 暑さ指数参考に

 農水省によると、農作業中の熱中症による死亡者は27人で、70代以上が90%を占める(15年)。7、8月に死亡者の発生が集中し、3分の2が畑で亡くなっている。シャベル、すきを使った作業や草刈り、おのを振るうなど体力を使う作業ほど発症リスクが高くなる。

 環境省は、熱中症のなりやすさを示す暑さ指数をホームページで公開する他、メールでも配信。全国約840地点の指数を9月末まで毎日公開し、農作業などの参考にするよう呼び掛けている。今年の夏も平年並みか、平年を上回る猛暑になると予想され、農作業には注意が必要だ。

日本農業新聞

最終更新:6/14(水) 7:01
日本農業新聞