ここから本文です

英メイ首相との45分、筋金入りの「かたくなさ」に改めて驚く

6/14(水) 17:12配信

The Telegraph

【記者:Gaby Wood】
 今年、英首相府でテリーザ・メイ(Theresa May)首相をインタビューした際、野党に尊敬する要素はあるかと尋ねてみたところ、メイ氏はかなり長い間言葉に詰まり、険しい表情をしていた。こちらの質問に対して本音を明かさない首相が珍しく、いら立ちを示したように見えた瞬間だった。

「うーん…」。メイ首相はようやく口を開いたが、そこでまた言葉が途切れた。

 私は思わず少し笑い、「何も現野党を褒めてほしいとお願いしているわけではありません。歴史的、あるいは理論的な意味合いで…」と助け船を出した。

 するとため息と同時に首相の顔にかすかな笑みが広がり、メイ氏にありがちな、記事にしようもない当たり障りのない言葉の羅列がまた始まった。

 今になってみれば分かる。あれは紛れもなく、メイ首相が野党をひどく見くびっていた表れだった。

 インタビューは女性向けファッション誌、米国版ヴォーグ(VOGUE)の記事向けだった。メイ首相は首脳として国際舞台にデビューしたばかりで、米国での知名度は低かった。さらに言えば、英国内でもメイ首相の人となりはあまり知られていなかった。そのため、どのような首相になるのかを判断するには時期尚早である上に、一般的には謎めいた人物というイメージを持たれている点も伝えなければならなかった。難しい記事だった。英国の新首相を紹介する記事でありながら、紹介記事とも言えないようなジレンマがあった。

 厳しい言い方をすれば、メイ首相はそこまでミステリアスではなかった──単に、面白みがなかったのだ。これまでどんな法案に賛否いずれの票を投じてきたかという記録も、内務相時代の仕事も、すべて公開されている。世間がメイ氏をよく知らない理由の一つには、本来なら業績と共に人柄についても伝えるべきはずの記者らが彼女は退屈な人物だと早々に見切りをつけ、報じてこなかったということがある。

 だが私は、メイ首相が面白みのない人だと断言したくはなかった。それには理由が2つある。まず、本人がどうこうというよりも、これはジャーナリストとして彼女に興味を向けていないだけ、そして2つ目は、私自身、メイ氏が面白くない人物だとは思っていないからだ。

 インタビューに備え、メイ首相の友人数人に、彼女が面白い人かどうかを尋ねてみた。すると、ものすごく面白い、との答えが返ってきた。これは、ほとんど知られていないことの一つだ。

1/3ページ

最終更新:6/15(木) 8:22
The Telegraph