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なぜ、「盗むふり」で金もうけ? 被告らの主張に被害者「ありえない」 博多金塊盗全容見えず、背後に暴力団か 「実行犯」5人を起訴 地検

6/14(水) 9:47配信

西日本新聞

 福岡市のJR博多駅近くで約7億6千万円相当の金塊が盗まれた事件で、福岡地検は13日、実行犯とされる野口和樹容疑者(42)=愛知県尾張旭市=ら5人を窃盗罪で起訴した。和樹被告らは「(事件は)被害者も合意した上の出来レースだった」と起訴内容を否認。捜査側は裁判での立証に向け、被告周辺者への事情聴取なども続けてきたが、犯行を依頼したとされる情報提供者の行方は不明で、事件にはなお謎が残る。

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 窃盗容疑で逮捕された和樹被告の兄の直樹容疑者(43)と中垣龍一郎容疑者(40)も後日起訴される見通し。

 起訴状によると、5人は直樹、中垣両容疑者らと共謀し昨年7月8日朝、JR博多駅近くのビルのエントランスで被害男性から約160キロの金塊などが入ったケースを盗んだとされる。

なぜ、「盗むふり」で金もうけ?

 和樹被告らの弁護士によると、被告らは、中垣容疑者が刑務所仲間の男から持ちかけられた“もうけ話”が発端だったと主張。首謀者とされる野口兄弟が中垣容疑者らと相談しながら、警察官を装って金塊を「盗むふり」を実行することで合意したという。なぜ、盗むふりをすることで金もうけになるかは「よく知らない」と話しているという。

 警察官風の服は名古屋市内のホームセンターで購入し、事件数日前には中垣容疑者らの情報の真偽を確かめるため、事件現場付近で別の金塊取引の様子も下見した。事件後は盗んだ金塊のうち約4億3千万円分を東京都内の貴金属店で換金。和樹被告ら7人で山分けし、残る約3億3千万円分は中垣容疑者が情報提供者側に渡したとみられる。

 ただ、和樹被告らに情報を提供したとされる人物の行方は分かっていないという。中垣容疑者は「知人の男は韓国籍の男から情報を入手した」と供述しているが、弁護士の話では、2人とは事件が報道で明らかになった昨年12月以降、連絡が取れなくなったといい、話の真偽は不明だ。

 被告らの主張に対し、被害に遭った貴金属販売会社の実質的経営者の男性は「ありえない話だ」と反論している。

 弁護士によると、事件後、中垣容疑者は、指定暴力団の組員から「盗まれた金塊には俺らの出資金が入っている」などと脅迫され、約3千万円を支払ったと話しており、背後に暴力団が介在した疑いも浮上している。

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 地検は13日、盗品等処分あっせん容疑で逮捕した2人について処分保留で釈放した。うち1人は西日本新聞の取材に「友人から金を売りたいと言われたので電話で仲介しただけ。和樹被告らと接触もしていない」などと話した。

=2017/06/14付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社

最終更新:6/14(水) 11:36
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