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「セリシン」糸だけを紡ぐカイコ、京都工芸繊維大が遺伝子組み換えで作製

6/14(水) 12:13配信

日刊工業新聞電子版

■今夏から大量飼育へ

 京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科の小谷英治准教授らは、保水力が非常に高いたんぱく質の「セリシン」だけで構成する糸を吐く遺伝子組み換えカイコを作製した。繭からゲルやシート、スポンジなどへの加工も容易。新シルク産業創造館(京都府京丹後市)で、今夏から遺伝子組み換えカイコの大量飼育を開始。日本触媒と連携し、化粧品材料や、再生医療用の細胞培地材料としての製品化も進める。

 研究グループは、モンシロチョウがさなぎの変態時に不要な組織を効率的に取り除く機能に関連する遺伝子「ピエリシン―1A」をカイコに導入。絹糸の主成分フィブロインを含まないセリシンだけの繭を作らせることに成功した。従来は難しかったセリシンの本来の機能を保ったままの利用を可能にした。

 セリシン繭を高濃度の臭化リチウム溶液で溶解後に透析し、エタノールを添加すればゲル化できる技術も確立。保存用にシートやスポンジにも形状を変えられる。非哺乳動物由来成分としてコラーゲンなどの代替材料での用途を見込む。

 通常より大きなさなぎを活用し、試薬や殺虫剤などの開発用に安価なPODS(有用たんぱく質を内包したたんぱく質微結晶)の生産も企業と検討中だ。