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藍で染めた和紙の名刺 伝統工芸がコラボ

6/14(水) 8:00配信

両丹日日新聞

 手漉きで和紙作りに取り組む京都府福知山市大江町二俣の田中製紙工業所は、同じ福知山の伝統工芸の由良川藍とコラボした商品を開発した。藍で染めた丹後二俣紙(丹後和紙)の名刺で、染め、漉きの両方の技を集めたこだわりの品。すでに東京の会社から注文が来るなど注目されつつある。

 田中製紙の5代目、田中敏弘さん(55)は、家業の和紙作りに励み、手漉き和紙の技法を伝える「丹後二俣紙保存会」(田中正晃会長)の副会長を務める。また、市内の由良川流域で藍の栽培、染めをする「福知山藍同好会」(塩見敏治会長)、夜久野町で府無形民俗文化財・丹波の漆掻きを守る「NPO法人丹波漆」(岡本嘉明理事長)と手を組み、15年に福知山伝統文化を守る会を結成。現在会長に就く。

 守る会では後継者育成にかかわる取り組みを進めるほか、それぞれの団体が培った技術を結集した商品作りを計画。今回の名刺はコラボ製品の第一弾で、多くの人たちに使ってもらえるものをと、田中さんが考案した。

 田中さんが漉いた丹後二俣紙を福知山藍同好会で染めてもらい、出来た藍染めの和紙を漉き舟(水槽)の中に原料として入れ、再び漉く「漉き返し」の技法を使って製作した。

 この技法だと、紙の繊維の奥まで藍色に染まり、色の劣化が少ない。好みによって染めの濃さを変えられ、活版印刷で印字した際に和紙の風合いが生きるという。量産するのには時間がかかるため、一般向けの販売は8月ごろからを予定している。

 田中さんは「ようやく念願だったコラボ商品を開発することが出来てうれしい。名刺をいろんなところで使ってもらうことで、和紙や由良川藍の良さを広く知らせるきっかけになる」と喜ぶ。

 今後は目の粗い雲龍和紙製の和箱の表面に漆を塗った商品、藍染めした丹後二俣紙を扇面にして、骨の部分に丹波漆を塗った扇子の商品開発の構想もある。

 田中さんは「2020年の東京オリンピック開催時に、外国の人たちへ福知山の伝統文化をアピールできれば」と考えている。

両丹日日新聞社

最終更新:6/14(水) 8:00
両丹日日新聞