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オオムラサキの羽化始まる 広島・府中の保護施設で優雅な舞

6/14(水) 21:22配信

山陽新聞デジタル

 国蝶(こくちょう)オオムラサキの羽化が、広島県府中市僧殿町の山林で始まった。雄は“森の宝石”とも呼ばれる艶やかな青紫色の羽を持つ。保護施設「オオムラサキの里」でも羽化が本格化しており、優雅に飛び交う姿が7月中旬まで観察できる。

 オオムラサキは北海道から九州まで分布するタテハチョウ科の一種。羽を広げた大きさは10~15センチ。羽は茶褐色に白と黄色のまだら模様が入り、雄だけが青紫色の光沢を持つ。環境省のレッドリストで準絶滅危惧種に指定されている。

 オオムラサキの里では、今月8日に初めて確認。12日までに約40匹が成虫になった。この時季に羽化するのは雄のみ。サナギから成虫になって殻を出たときから羽は鮮やかな青紫色で、5時間ほどかけて乾かし飛び立つ。

 施設内をひらひらと飛んだり、枝に留まって休んだりしている。今月下旬には雌の羽化も始まり、1匹の雌を複数の雄が追い掛ける光景も観察できるようになる。シーズン中に約千匹の羽化を見込んでいる。

 施設は住民でつくる「オオムラサキを守る会」が運営。1980年から保護活動を始め、野鳥から守るネットを張った飼育棟(計約500平方メートル)を整備。幼虫の餌になるエノキを植え、自然繁殖を進めている。

 後藤功会長(72)は「青紫色の光沢はまさに命の輝き。目の前であふれる光を感じてほしい」と話している。

 入場無料。7月2日午前11時からはオオムラサキを自然に放つイベントを行う。問い合わせは、同守る会(0847―43―4597)。