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バター、脱粉3万トン枠 豚肉TPP水準で調整 日欧EPA

6/14(水) 7:01配信

日本農業新聞

 欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)交渉で、政府がEU産のバターや脱脂粉乳に低関税輸入枠を設定する方向で調整していることが分かった。生乳換算で3万トン程度を検討している。豚肉については、差額関税制度を維持しつつ環太平洋連携協定(TPP)と同水準の関税引き下げとする方針だ。

 日本はTPPで、バターや脱脂粉乳の関税を撤廃・削減しない代わりに、参加国全体に対して生乳換算で7万トンの低関税輸入枠を設定した。交渉筋によると、EUとのEPAでは、TPPより少ない同3万トン程度を軸に、輸入枠の設置を検討している。最大の焦点のチーズについても、TPPで関税を撤廃するハード系については、EUに対しても関税撤廃を容認する構えだ。

 日本は現在、ガット・ウルグアイラウンド(多角的貿易交渉)合意に基づく国家貿易のカレントアクセス(現行輸入機会、CA)で、バターや脱脂粉乳を年間で同13.7万トン輸入する。だが国内の生乳生産の落ち込みから、農水省は3年連続で同10万トン以上の追加輸入をしている。政府は、TPPとEUを合計してこの範囲内であれば、国内生産への影響は小さいと判断しているとみられる。

 一方、豚肉の関税についてはTPPと同水準までの引き下げを準備している。TPPでは、差額関税制度は維持したが、安い肉にかける従量税(1キロ当たり482円)を50円まで削減し、比較的高い肉にかける従価税(4.3%)は撤廃する。デンマークやスペインなどの豚肉輸出国を抱えるEU側はTPPを超える水準の自由化を要求していたが、TPP参加国から一層の関税引き下げを求められる可能性もあり、拒否する。

 日本とEUは7月上旬の首脳会談でのEPA大枠合意を目指し、詰めの交渉に入っている。交渉関係者によると、EUのペトリチオーネ首席交渉官が13日、来日した。農産物以外では、EU側が日本産の自動車や自動車部品にかける関税の撤廃時期を巡っても、対立が続いているもようだ。

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最終更新:6/14(水) 7:01
日本農業新聞