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自動運転、犬猿の仲がタッグを組む! 高精度3次元地図で日独連携へ 世界標準化を目指す

6/14(水) 13:10配信

オートックワン

まさにサプライズ! 水面下の交渉は着々と進んでいた

このタイミングで、両者が手を握るとは!?

自動運転を実現するために重要な“高精度3次元地図”について犬猿の仲と言われてきた、ドイツの『Here(ヒア)』と日本の自動車メーカーや地図メーカーなどで構成されたオールジャパン体制の『ダイナミックマップ』が、今後の技術について連携すると発表したのだ。

犬猿の仲だった2社がサプライズ連携を発表

その裏には、やはり“ハノーバー宣言”の影響が大きい。

今年3月にドイツのメルケル首相と、日本の安倍総理がドイツ・ハノーバーで発表した、IoT(モノのインターネット化)に関する総括的な協議を進めるとする、『ハノーバー宣言』の中で、経済産業省が扱う案件の重要課題として高精度三次元地図が挙げられていた。

梅雨空のコンラッド東京(港区東新橋)。2階の大宴会場にはスーツ姿のビジネスマンや霞が関の官僚ら、そして報道陣など総勢数百人が集まった。

会見は「自動走行システム向け高精度3次元地図データの提供に向けた事業会社化について」という、一般の方だとかなり肩が凝ってしまう名称だ。

会場で配布された資料には、ヒア幹部がスピーチするとの記載があり、筆者としては少し驚いたのだが、まさか会見の冒頭に“2社連携”が発表されるとは夢にも思わなかった。

会見の前日も霞が関に個人的に意見交換するなど、このところ自動運転絡みで各省庁関係者と会う機会があったのだが、彼らの口からは“2社連携”を連想させるヒントはなかったからだ。

まずは高速道路向けに30億円

自動運転やADAS(高度運転支援システム)では重要な技術要素として、高精度三次元地図が必然だ。それを日本の自動車メーカー各社、地図関連企業各社らによる共同出資で、オールジャパン体制で臨むのが、ダイナミックマップである。

今回の発表の主旨は、増資による事業化への移行だ。

2017年6月30日付で、政府系ファンドの産業革新機構などから新たに追加出資を受け、ダイナミックマップ基盤企画株式会社から、ダイナミックマップ基盤株式会社へと社名が変更される。これにより、持ち株比率は、産業革新機構が33.5%、三菱電機14%、ゼンリン12%、パスコ12%、アイサンテクノロジー10%、インクリメントPが8%、トヨタマップマスター8%と、一般の方には三菱電機以外は馴染みのない地図企業の名前が並ぶ。その後には、いすゞ、スズキ、スバル、ダイハツ、トヨタ、日産、日野、ホンダ、マツダ、三菱自動車という日系自動車メーカー全社がそれぞれ、0.25%で投資する。

こうした出資比率を見ても、ダイナミックマップは、日本政府が主導するオールジャパン体制であることが一目瞭然だ。

ダイナミックマップの事業化について、具体的には2018年度まで国内高速道路及び自動車専用道路(全長約3万キロメートル)で高精度3次元地図の整備を実施する。

その費用について、ダイナミックマップの中島務社長は質疑応答の中で、今回の増資で得られた40億円の内、一声で「30億円」と答えた。

今後の経営については「当面は赤字だが、自動運転よりもADAS(高度運転支援システム)の需要の高まりから、2020年前半には黒字化を目指す」とした。

また、走行するクルマから得られる、プローブデータの所有権については「各メーカーとの交渉が必要で、ビジネスモデルとしては、これから詰めていく」と答えるに留めた。

そして、筆者が「ヒアとの連携は、今年3月のハノーバー宣言の影響が大きいのか?」と聞くと、これを肯定する回答だった。

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最終更新:6/14(水) 13:10
オートックワン