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パキスタン薄板リローラー「ISL」、年産能力を倍の100万トンに増強

6/14(水) 6:02配信

鉄鋼新聞

 パキスタン最大手の薄板リローラー、インターナショナル・スチールズ社(ISL、本社・シンド州カラチ市)は酸洗設備と第2冷延ミルを増設し、年産能力を倍の100万トンへ引き上げる。すでに建設工事を進めており、来年4月にも立ち上げる予定。ISLは株主である住友商事を通じJFEスチールから原板の熱延コイルを主に調達しているが、第2冷延の稼働でさらに引き合いが増える見込み。JFEはベトナム高炉事業、フォルモサ・ハティン・スチール(FHS)の稼働で得られる生産余力の活用も視野に入れた増量対応を迫られそうだ。

 ISLは昨年3月に現在の第1冷延ミルでスタンドを増やし、能力を50万トンへと引き上げた。第2冷延はこれと同じ仕様のプラントを導入し、短期かつ廉価での能力増強を図っている。
 ISLの生産・販売は好調で、昨年の冷延増強後には早期にフル稼働となり、一時は月産5万トンも達成している。ISLは酸洗や冷延のほか溶融亜鉛めっきライン2基(年産能力40万トン)とカラー鋼板(同8万4千トン)を持ち、自社の下工程が充実しているため冷延での外販余力が限られていた。冷延ミルを2基体制とすることで増産とともに、板厚0・2ミリメートル未満の薄手品と厚手品の造り分けといったスペック対応力も高める狙い。
 パキスタンでは薄板建材の需要が増える一方、中国からの冷延や溶融亜鉛めっき鋼板輸入に対しアンチダンピング(反不当廉売=AD)措置で「クロ」決定が下り、鉄鋼自給化の機運が高まっている。国営で一貫製鉄所を持つパキスタン・スチールは操業が芳しくなく、ISLをはじめとした民間企業が規模拡大に向け積極投資に動いている。
 ISLは地元の名士・チノイ家が事実上のオーナーで、住商が9・08%、JFEが4・74%、世界銀行系の国際金融公社(IFC)が4・65%出資している。

最終更新:6/14(水) 6:02
鉄鋼新聞