ここから本文です

岩手・久慈港に巻き網船団誘致へ イカ不漁でサバ争奪戦サバイバル

6/14(水) 11:53配信

デーリー東北新聞社

 岩手県久慈港の主力水揚げ魚種であるスルメイカの記録的な不漁を受け、久慈市と市漁協など市内の水産関係団体で構成する市水産振興協議会(会長・皀=さいかち=健一郎市漁協組合長)が、新たにサバの水揚げを行う巻き網船団の誘致に乗り出すことが13日、明らかになった。同港で水揚げしてもらえるよう、船団に対する支援策を準備する方針。遠藤譲一市長は「行政としても積極的に関わり、官民の緊密な連携による“オール久慈”で取り組む」と意欲を示した。17日に遠藤市長や皀会長らが福島県いわき市を訪れ、2社と交渉する予定だ。

 13日の市議会一般質問で市側が明らかにした。市によると、市営魚市場のイカの水揚高はここ数年は数量が年間7千~3千トン台、金額が17億~8億円台で推移していたが、2015年度は数量1308トン、金額4億1112万円で、16年度は987トン、5億3944万円と2年連続で記録的不漁となった。

 市はこれまで大間町のイカ釣り船、宮古市や釜石市のトロール船といったスルメイカを中心とした船団誘致を展開。一方、スルメイカ漁が好転する見通しが立っていないため、新たな誘致活動に取り組む必要性が指摘されていた。

 同協議会は市漁協のほか、市冷凍水産加工業協同組合、市営魚市場買受人組合などで構成。いわき市の小名浜や千葉県の銚子を母港として、締めさばなどの加工原料となり、スルメイカより魚価が高いサバの水揚げを行う船団の誘致を目指す。

 市は年内に3隻の誘致を目標として、1隻当たり250トンの水揚げを見込む。サバの水揚げ実績を作り、次年度以降の入港拡大につなげたい考えだ。

 市は開会中の市議会定例会議に提出した17年度一般会計補正予算案で、船団誘致に関する同協議会への補助金50万円を計上。岩手県も同様の対応を検討しているという。船団に対する支援策としては、船員向けに久慈市内で使える商品券、タクシーチケット、入浴券などを配布する予定だ。

 遠藤市長は「各港で激しい競争の時代に入っている。他港に負けないくらいの熱意と条件で臨む」と語った。

デーリー東北新聞社