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アメリカの食文化をいちはやく紹介した“ポップ”なファミレス「デニーズ」誕生のひみつ

6/14(水) 15:40配信

ホウドウキョク

アメリカ発。「コーヒーショップスタイル」のファミレス「デニーズ」VOL.1

「いらっしゃいませ、デニーズへようこそ」という挨拶とともに席まで案内される。「ああ、デニーズに来たんだな」と思う瞬間だ。

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デニーズはロイヤルホスト、すかいらーくと並ぶファミレス御三家のひとつだが、他の2チェーンと異なるのは「アメリカ直輸入」という点。

「米デニーズ社との契約上、メニューや制服も本家と同じ。今では一般的に『ファミリーレストラン』とくくられますが、社員やスタッフの間ではアメリカ直輸入の『コーヒーショップスタイルレストラン』という意識が強かったと聞いています」(セブン&アイ・フードシステムズ販売促進部・諏訪美紀子さん、以下同)

メニューにはステーキ、ハンバーガー、サンドイッチ、スープ、サラダボールなどの“わくわくするようなごちそう”が並び、「朝、昼、晩の食事をご家族で楽しめる全く新しいタイプのレストランです」とある。

たとえば、ステーキは、当時アメリカで一般的だった「トップラウンド」という内モモ肉を使用し、価格は1500円。「意外とリーズナブル」と思ったが、当時の大卒初任給が8万円弱の時代だから、なるほど、ごちそうである。

なお、この記念すべき1号店はイトーヨーカドー上大岡店の閉店に伴い、2017年3月に閉店。閉店を惜しむ客で連日行列ができたという。

カップの底を見せない「ボトムレスコーヒー」

「コーヒーショップスタイル」という意味では、店員が常にテーブルを巡回し、「コーヒーのおかわりはいかがですか?」と声をかけるサービスも斬新だった。

これは「ボトムレスコーヒー」なるサービスで、いわゆるコーヒーカップの底を見せないよう、コーヒーのおかわりをおすすめするというもの。

「それまで日本にはなかったサービスなので、追加料金を取られるんじゃないかと慌ててカップを手で押さえるお客様もいらっしゃったそうです(笑)」

おいしいコーヒーをたくさん飲んでほしいという思いから導入したサービスだが、一方でこれによって客との会話のきっかけが生まれるなどのメリットもあったそうだ。

「日本の喫茶店で出されるアメリカンコーヒーは、ブレンドを薄めたものもあったそうですが、デニーズでは本場アメリカ同様、専用の豆を使っていました」

客がのんびりとくつろげる場所を提供したわけだが、こんな逸話もある。荒井由実時代のユーミンはファミレスでほかの客の話をネタに作詞したといわれているが、その店こそ、世田谷区内のデニーズだという説が濃厚なのだ。

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最終更新:6/14(水) 15:40
ホウドウキョク