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「共謀罪」与党が「禁じ手」で委員会省略、成立へ 野党は反発

6/14(水) 23:05配信

BuzzFeed Japan

犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」法案をめぐり、国会での攻防が続いている。与党側は6月15日未明までの成立も視野に入れており、野党が反発を強めている。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】

国会議事堂前にはこの日、法案に反対する人々が集まり、夜になっても抗議集会が続いている。

この法案をめぐっては、野党などが「組織犯罪」ではなく一般人が対象になったり、権力側による濫用の危険性があるのではないかと、批判を強めていた。

一方、政府は、「国際組織犯罪防止条約に入るため」「五輪に向けたテロ対策のため」などとしている。

法案は衆議院を5月23日に通過。参議院の法務委員会で審議が進んでいたが、6月14日、与党は「中間報告」を使うことで、委員会での採決を省略しようとしている。

「中間報告」とは、国会法で定められた仕組みだ。

法案は通常、委員会で審議・採決し、本会議に送られる。

ただ、国会法の56条では、「特に必要があるとき」に本会議で中間報告を実施し、さらに「特に緊急を要するもの」は本会議で審議・採決ができると定めている。

つまり、委員会での議論を省略できるということだ。「伝家の宝刀」や、「禁じ手」とまで言われることもある。

NHKによると、与野党が対決する中で「中間報告」を使い成立した法律は、天下り規制に関する改正国家公務員法(2007年)。

2009年に成立した改正臓器移植法の審議でも、「議員個人の死生観にかかわる」との理由から中間報告が行われたことがある。

与党のねらいは何か。

自民党は、野党が金田勝年法務大臣の問責決議案を提出したことなどを理由としているが、実際は国会をできるだけ早期に閉会し、東京都議選への影響を避けたい狙いがあるとみられる。

加計学園をめぐる「総理のご意向」などと書かれた文書の再調査結果の発表も控えている。政権へのダメージを防ぐためにも、与党は幕引きを急いでいる。

10年ぶりにこうした手法を使った与党。

野党などからは「とんでもない審議拒否のやり方」「委員会での審議を一方的に打ち切る乱暴極まる方法」などとの批判が高まっている。

たとえば、民進党の小川敏夫参議院議員は、報告を行う参議院法務委員長は与党の公明党であることに触れ、「極めて異例、異常な提案」と批判。社民党の福島瑞穂副党首は「審議はまだまだ不十分」とツイートした。

識者からも批判が出ている。

神戸学院大学法学部の上脇博之教授(憲法学)はTwitterで「民主主義の手続きの例外規定の濫用」と指摘した。

中間報告の手続きを行うための動議は6月14日夜、与党の賛成多数で可決。一方、野党は午後9時30分すぎ、内閣不信任決議案を衆議院に提出し、抵抗を続けている。

UPDATE 2017/06/15 07:49

犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」法案は、徹夜国会の末、6月15日午前7時45分ごろ、参議院本会議で与党などの賛成多数で可決・成立した。

最終更新:6/15(木) 7:52
BuzzFeed Japan