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定時制出身の“ゴジラ” 4年越しのフルスイング 帝京大・増田一樹

6/14(水) 14:46配信

カナロコ by 神奈川新聞

 11日に閉幕した全日本大学野球選手権で、4年越しのフルスイングを見せた長距離砲がいた。相模向陽館高出身で帝京大の主砲・増田一樹(4年)。高校最後の夏に4打席連続敬遠を味わった大器は、折れない努力の末に大舞台に立った。

 2013年夏。神奈川高校球界で桐光学園高の松井裕樹(楽天)が全国的な注目を集める中、高校通算39発のスラッガーが彗星(すいせい)のごとく現れた。

 中学時代から注目された増田だったが、人間関係でつまずき、3年春に不登校に。定時制の相模向陽館高に進学し、最後の夏を前にした県春季大会は人数不足のため不参加に終わった。満を持して迎えた夏。しかし、高校時代の幕切れは、思いもしない形だった。

 公立高校同士の対戦となった1回戦。3打席目までに投じられた12球は全て外角に大きく外れるボール。2-9の七回2死無走者。ここでもストライクゾーンには一球もこなかった。増田は悔しさをこらえ、勝つために、4度歩いた。


 不完全燃焼で終わった未完の大器に、首都大学リーグの強豪が、手を差し伸べた。高卒認定試験に合格して翌春、晴れて帝京大のユニホームに袖を通した。
 最終学年の春のリーグ戦で結果を残して終盤には4番に定着。39季ぶりのリーグ優勝が決まるころには不動の地位をつかんでいた。

 一度もスイングできなかった夏から4年。
 「勝負してくれなかった経験があったから、大学でも折れずに続けられている」
 表舞台に立った高揚感と、だからこそ感じられた悔しさを胸に春を終えた。秋に、そしてその先に経験をつなげていく。


 ますだ・かずき 宮田中-相模向陽館高-帝京大4年。内野手。右投げ右打ち。182センチ、83キロ。横浜市出身。21歳。