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恋の行方や悩みに寄り添い… 中華街の占い師・江グロリア

6/14(水) 19:43配信

カナロコ by 神奈川新聞

 恋の行方や進路など、中華街にある占い館「蓮華(レンファー)」(中区山下町)にはさまざまな悩みを持った人たちが訪れる。館ではタロット、手相、西洋占星術などを複合的に用いながら、在籍する約10人の占い師が日々入れ替わりながら、声を求める人の思いに向き合っている。

 この館はもともと中華店。横浜生まれの渋谷恭男さん(69)が25年間、切り盛りしてきたが、「80歳まで続けられる仕事を」と考え、昨年10月に店をたたみ、翌月に新業種で一歩を踏み出した。もう中華鍋は振らないが、威勢のよい声は変わらない。渋谷さんは毎日、店先に出て通りを行く人に声を掛け、占い館を活気づけている。



 館には常に5人ほどが常駐する。客と同じく、占い師も迷いを抱えていたというのは横浜生まれの吉江仁実さん(57)。「誕生数秘学」という誕生日に秘められた三つの数字で過去と、現在、未来に背負った運命を知らせる。

 自身は童話作家、マンガ家、小説家と成長とともに夢が変化。華やかな世界に憧れ、映画の専門学校に入学し夢を追いかけたこともあった。

 24歳の時、運転していたバイクで事故に遭い、内臓が破裂する大けがを経験した。「時間も命も永遠じゃない。本来やりたかったことは何だろう」と発起。二つ上の夫と26歳で結婚し、夫の生家があった鎌倉・由比ケ浜にバイク店を開業した。

 30年近く続け、今後も順風に行くと思っていた事業が傾き出した。2016年、ローズホテルの側で占いをしていた女性に、「あなたは占い師に向いている」と背中を押され、中華街で占い師としてデビューすることになった。

 「悩んでいた時期は、コーチングやセミナーなどにフェラーリが買えるくらい投資し、いろいろなものに足を運びました」と振り返る。がむしゃらに進み、手にした出会いに導かれ、16年暮れから占い師・江グロリアとして歩き始めた。

 「占いで出た結果は、良いことも悪いことも、信じるか信じないかを決めるのは本人。意志によって、未来はいくらでも変えることができるから」と力を込める。

 人生の道先案内人。誰にも言えなかった秘密、悩みを告白されることもある。来店しても、解放されない人もいる。その思いをすくい上げ、心を解していくことが務めと思っている。

 「コーチング、俳優講座の表現力。学んだこと、すべていまに生きている」。占いの幅を広げるため、ホロスコープを勉強中という吉江さん。将来は得意のネイルアートも取り入れ、「美しくなれる占い師」として活躍したいと目を輝かせた。

 ◆占い館「蓮華(レンファー)」 電話:045-663-7292。料金は20分、3000円から。