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技術融合の漆塗り眼鏡、輪島×フランス 日仏で市場開拓狙う

6/14(水) 2:18配信

北國新聞社

 輪島市の漆器工房の跡取りとなる大学生とフランスで木工を学ぶ青年がタッグを組み、木製漆塗り眼鏡の製品化に乗り出した。輪島塗の伝統の技とフランスの工芸技術が融合した眼鏡作りを目指し、フランス人青年が5月中旬から輪島の工房で研修に励んでいる。来年には日仏両国で漆塗り眼鏡の製造・販売で起業できるよう準備を進め、若い感性を生かした新たな眼鏡で市場開拓を狙う。

 学生は木地・漆器工房「輪島キリモト」の桐本泰一代表(55)の長男滉平さん(24)で、フランスの青年はパリ在住のマキシム・ベロネさん(21)。日大商学部4年の桐本さんが昨年度、文部科学省の留学プログラムを活用してパリで研修している間に出会った。

 ベロネさんはフランスの名門エコール・ブール国立工芸学校で2年の木工課程を終え、さらに塗りのコースで学んでいる。デザイン性に優れた木製眼鏡にこだわり、最適な塗料として木との相性や肌に触れる感触を考えた末、漆塗り仕上げに行き着いた。

 留学で輪島塗など日本の伝統産業を紹介するパリのギャラリーでマネジャーとして就業体験中だった桐本さんは、パリの職人・デザイナー養成機関を通じ、ベロネさんが日本の漆塗りを学びたがっているのを知った。

 輪島塗の海外発信を目指す桐本さんは眼鏡とのコラボレーションに可能性を見いだし、今春、帰国に合わせ、実家の工房でベロネさんが1カ月余り研修する段取りを整えた。

 工房ではベロネさんがノルウェー産材で制作した眼鏡フレームにキリモトの職人が漆を塗り、ベロネさんも実地で技法を学んでいる。木目が浮かび上がる拭き漆や珪藻土(けいそうど)を使って強度を高め、質感を出す蒔地(まきじ)など匠(たくみ)の技に触れ、ベロネさんは「伝統を継承しながら挑戦を重ね、要求に完璧に応える職人の姿に感心する」と刺激を受けている。

 2人は試作を重ね、卒業後の来春には共同で会社を設立したい考えである。工房では能登半島地震からの復興企画でルイ・ヴィトンと共同で輪島塗小物入れを手掛けた経験があり、桐本さんは「フランスはもちろん、日本の若い世代にも受け入れられると思う。眼鏡を足掛かりにコラボ製品の幅を広げていきたい」と話した。

北國新聞社

最終更新:6/14(水) 2:18
北國新聞社