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自覚症状出てからじゃ遅い/照山裕子お口の悩み

6/14(水) 13:05配信

日刊スポーツ

<歯科医照山裕子が答えるお口の悩み(36)>

 元モデルの歯学博士・照山裕子さんが、口臭が気になる、歯周病が進んできた…歯と口の悩みなど、皆さんの悩みに回答します。

 Q 歯周病治療について教えて下さい。歯がグラグラしていたら、もうダメですか。

 A 「3軒回ったのですが、『これは抜かなきゃダメだ』と言われました。どうにかして残せませんか」と来院される方がいます。歯が揺れる、かみづらいなどの自覚症状が出てから、その歯を助けるのは非常に難しいです。歯を支える骨(歯槽骨)が溶かされているためです。そうなる前に行いたいのが、歯周病治療です。

 最初は問診を行い、お口の清掃状態をチェックします。レントゲンを撮影して現在の骨の状態を確認、歯周ポケットを測ります。歯周病を引き起こす一番の原因はプラーク(歯垢)なので、まずはご自身でケアできるようなブラッシング指導を行い、取り切れない歯石はスケーラーという器具を使って除去します。「スケーリング」といわれるこの処置は、歯科医院を訪れるたいていの大人が経験しているのではないでしょうか。初期ならこれでかなり改善されてきますが、歯周病が進行している場合はさらにさまざまな治療が必要になります。

残しておくことで周りの歯へも悪い影響を及ぼしてしまうような歯は早めに抜歯を検討しなければなりません。かみ合わせの不具合で歯周病が起きている場合は、「咬合調整」といってバランスを良くする処置を施し、歯にかかる負担を減らします。

スケーリング後に改善が見られなければ、奥深い部分にある歯石を除去し、汚染された歯の表面をきれいにします。これを「ルートプレーニング」といいます。さらに進行している場合は、歯肉を外科的に開いて原因物質を根こそぎ取り、溶かされてしまった骨の凹凸を平らにする「歯周外科治療」が行われます。また、この場合には「歯周組織再生療法」といって、特殊な薬剤や膜、人工骨等を使い、失われた骨を回復させる処置を同時に行うこともあります。症例によっては非常に効果がある処置ですが、多くが保険外診療になります。

 皆さんの中にはルートプレーニングまでは受けたことがある方が多いのでないかと思います。歯石を定期的に取り、正しい歯磨き習慣が身につけば、本来歯を抜くような事態は避けられるはずなのですが、実際は気づかないうちに進行させてしまう方が圧倒的です。歯周病からお口を守るためにはメンテナンスが何より大切です。歯科医院は治療を受けに行くだけでなく、自分の力で健康な状態を保つためのアドバイスをしてもらう場だと思って有効活用してください。

 ◆照山裕子(てるやま・ゆうこ) 歯学博士。厚労省歯科医師臨床研修指導医。歯と全身の関わりについて幅広く学んだ経験を基に、機能面だけでなく審美的要素にもこだわった丁寧な治療がモットー。分かりやすい解説でテレビ、ラジオにも多数出演している。学生時代はモデル事務所に所属。近著に「歯科医が考案 毒出しうがい」(アスコム)。

最終更新:6/14(水) 13:07
日刊スポーツ