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イオン照射で染色体変異=品種改良に応用期待―量研機構

6/15(木) 0:14配信

時事通信

 植物実験によく使われるシロイヌナズナ(アブラナ科)に炭素イオンビームを照射して染色体の構造に大規模な変異が起きても、自家受粉で正常に増える例があったと、量子科学技術研究開発機構と東京理科大の研究チームが14日発表した。ただ、照射前の元の系統と交配すると、種子ができる数は通常の半分以下だった。

 イオンビームを照射して人工的に突然変異を起こす技術は、珍しい色の花を咲かせる品種などの開発に実用化されている。従来は遺伝子レベルの変異が起きたと考えられており、遺伝子が多数集まった染色体のレベルで変異が起きても正常に育つ例は確認されていなかった。

 シロイヌナズナの染色体は1番から5番まで5種類あり、全遺伝情報(ゲノム)が解読されている。量研機構の坂本綾子上席研究員らが約3000株に加速器で炭素イオンビームを照射したところ、3番染色体のDNA配列のうち3分の1がごっそり抜け、2番染色体に挿入された変異体が見つかった。この移動した部分には約3000個の遺伝子が含まれる。

 今回の発見は将来、農作物などの品種改良に役立つ可能性があるという。論文は英科学誌ジャーナル・オブ・ラディエーション・リサーチに掲載される。 

最終更新:6/15(木) 0:20
時事通信