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東芝メモリ売却先、日米韓「新連合」浮上も依然流動的 WDとは対立激化

6/16(金) 8:15配信

SankeiBiz

 東芝メモリの売却先候補のうち、官民ファンドの産業革新機構などの「日米連合」と、米ファンドのベインキャピタルと韓国半導体大手SKハイニックスの連合が合流する調整に入った。ただ、陣容には流動的な部分もあり、日米連合と米ウエスタン・デジタル(WD)が合流する選択肢も残る。一方、米半導体大手のブロードコムも好条件を示しており、売却先選定は予断を許さない状況が続く。

 東芝が15日に開いた経営会議で優先交渉権が決まる可能性があったが、間際になり新たな有力案が浮上するなど局面は大きく変わり、来週にかけて売却先を絞り込む方向になった。

 日米連合はこれまで革新機構と日本政策投資銀行、米ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が中心となる陣容で模索されてきた。関係者によると、新たな連合は米韓の2社に加え、東芝を含む複数の日本企業、銀行も参加する構想。参加社の一部にはまだ流動的な部分も残るが、買収額は2兆~2兆1000億円を想定している。

 日米連合は東芝の提携先のWDと合流する枠組みを検討してきたが、売却に反対するWDと東芝の対立が解消できず、陣容づくりが遅れた。

 そこで、日米連合を主導する経済産業省がWD抜きで金額を上積みできる構想を検討。SKハイニックスは東芝メモリと同業だが、出資ではなく融資による資金拠出で独占禁止法の審査が長引かないようにする。経産省は技術流出を懸念し、中国と関係が近い台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の買収には難色を示すが、SKハイニックスは「実質、東芝メモリを支配せず、また同等の技術水準を確立しているため、技術流出に当たらない」(関係者)と白羽の矢が立ったようだ。

 WDも東芝との対立が解消できれば、日米連合に合流して有力候補になる可能性もあるが、東芝メモリの経営権にこだわっており、新たな売却中止の提訴に踏み切るなど、対立はここにきてむしろこじれている。

 一方、ブロードコムも東芝メモリと事業が重ならず、独禁法審査が短期間で済むほか、2兆2000億円の買収金額を提示するなど、東芝や銀行内では「提案内容が最もしっかりしている」との評価がある。ただ、同社は積極的なM&A(企業の合併・買収)で急成長してきただけに、買収後の転売を危惧する声も聞かれる。

 残りわずかの時間の中で東芝の選定作業も大詰めを迎える。関係者は「鴻海(ホンハイ)以外すべてあり得る」とつぶやいた。

最終更新:6/16(金) 8:15
SankeiBiz