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「いざなぎ」抜き戦後2番目浮上も… アベノミクス景気は「実感なき拡大」、賃金伸びず消費低迷

6/16(金) 8:15配信

SankeiBiz

 内閣府が15日開いた景気動向指数研究会は、「アベノミクス景気」の拡大期間が4月までで53カ月に達したことを事実上、確認した。「いざなぎ景気」を抜き、戦後2番目の長期拡大に浮上する可能性も高い。ただ足元では、賃金が十分に伸びず消費意欲が低迷するなど、国民にとっては「実感なき景気拡大」が続いている。

 「『(足元まで)景気拡張が続いている可能性が高い』というのが、委員の全員一致のコンセンサスだ」。研究会後の記者会見で、座長の吉川洋立正大教授はこう述べた。

 アベノミクスは積極的な金融緩和や財政政策を推し進め、円安株高を導き、企業収益や雇用環境の改善を促した。

 実際、今年4月の有効求人倍率(季節調整値)は1.48倍と、バブル期のピークだった1990年7月(1.46倍)を上回った。消費税増税のあった2014年に景気が後退しなかったと研究会が判断した根拠の一つも、企業収益や雇用の指標が堅調を維持したことだ。

 ただ、「回復の実感は乏しい」と指摘する市場関係者は多い。毎月勤労統計によると今年4月の1人当たりの現金給与総額は27万5321円で、12年4月(27万2470円)から、わずか1%程度の増額だった。16年の勤労者世帯(2人以上)の消費支出は月平均30万9591円と、12年の31万3874円を下回った。

 小売りの現場からは「デフレマインドや将来への不安が払拭できず、日常の消費には節約志向がうかがえる」(日本チェーンストア協会の井上淳専務理事)との声が上がっている。

 年度別の実質経済成長率も、13年度以降は最大2.6%にとどまり、10%超を確保することもあった「いざなぎ景気」などより見劣りするのが現状だ。人材投資や研究開発を通じた中長期的な生産性向上の視点も、重要となりそうだ。(山口暢彦)

最終更新:6/16(金) 8:15
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