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ロジクールの最上位マウス「MX MASTER 2S」がもたらすマウスのさらなる進化を体験

6/15(木) 6:00配信

Impress Watch

 ロジクールのハイエンドマウス“MXシリーズ”は、同社のスタンダードマウスのなかでは頂点に位置する存在だ。実用性を突き詰めた機能美はもちろん、高級さに見合うだけの使い心地のよさがあり、たとえ実売で1万円を超えるようなシロモノだとしても、高い人気を誇っている。

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 ロジクールはMXシリーズの最上位モデルとして「MX MASTER 2S」と、ポータブル版の「MX ANYWHERE 2S」も合わせて6月1日に発表し、本日(6月15日)より販売を開始した。税別店頭予想価格は前者が12,880円、後者は10,130円前後の見込みとなっている。

 今回は、最上位モデル「MX MASTER 2S」を試用する機会を得たので、Windows同士またはWindowsとMac間でシームレスなマウス操作を可能とする新機能「FLOW」を中心にレビューしたい。

■「2S」という名前に込められた“Software”の革新

 MX MASTER 2Sという名前からわかるとおり、前モデルのMX Master(以前は全部大文字ではなかった)の後継機だ。

 ここでレビューする本体色グラファイトのモデルは、前モデルから若干カラーリングが変更されているが、形状の変化はない。性能的に言えば、レーザー式センサーの最大解像度が1,600dpiから4,000dpiに上がっていることや、バッテリ駆動時間が約1カ月から約2カ月ほどに向上したことが挙げられるが、改良点がこれだけならMXシリーズを愛用するユーザーであっても、買い換えようという必然性は感じないだろう。

 しかし、今回の進化はハードウェアではなく、ソフトウェアにある。ロジクールは本製品の発表会で、製品名末尾にある「2S」の“S”には、“Software”という意味が込められていると述べており、PC間でのマウス移動を切り替えボタンなどを押さずとも実現する「FLOW」への対応が目玉となっている。

■複数のWindows/Mac搭載機を利用していてもマウスは1台でOK。しかもマウスの切り替え操作はいっさいいらない「FLOW」

 ロジクールの調査によれば、米国ユーザーの39%が複数のPCを使っており、44%は業務のために複数のPCが必要であると回答しているそうだ。PC Watchをご覧になっている読者諸氏であれば、PCの複数所有者はかなり多いと思われ、同時利用についてもまた多くいらっしゃると予想される。

 編集部を見てみると、ノートとデスクトップまたはメイン/サブノートの2台体制が多い。筆者自身は後者で、メインノートはWQHD(2,560×1,440ドット)の液晶を使ってデュアルディスプレイにし、副次的な作業を行なうためのサブノートという2台での運用にしている。

 サブノートはメインノートの右隣に画面を斜めに向けた状態で置いてあり、サブノートを使う場合はタッチパッドを使うか、メインノートと共用しているロジクール製の複数ペアリング対応Bluetoohマウス「M720」を切り替えて操作していた。

 FLOWについて簡単に説明すると、ノートPCを隣り合って2台で使っている場合など、左側PCから右側PCに向かってマウスカーソルを移動させるだけで、自動的にマウスのペアリングが切り替わり、PC間のカーソルの行き来ができるというものだ。

 ユーザーはペアリングを切り替えることなく、ただマウスを動かすだけで2台のPCを操作できるようになる。そしてFLOWは最大3台までのPCでの操作にも対応している。FLOWを使うにはLogicool Optionsというユーティリティをインストールすればいい。

 これまでは、メインノートからサブノートを操作するためにはM720の切り替えボタンを押すか、タッチパッドまで手を伸ばすかといったワンクッションはさんだ操作が必要だったわけだが、「FLOW」を使うことで右手はMX MASTER 2Sに載せたまま、カーソルを動かすだけでサブノートを操作できるようになった。

 これは思いのほか便利で、サブノートを頻繁に操作する必要がある場合に快適である。また、筆者は自宅でデスクトップPC(WQHD液晶)、会社でも使うメインノート、Mac mini(フルHD液晶)の3台体制で動かすことがあるが、FLOWを使うことで3台それぞれのPCをまるでトリプルディスプレイ構成のPCであるかのように、WindowsとMacを含めて縦横無尽に1つのマウスで切り替えなしに動かせるメリットは計りしれない。

 筆者としては、3台体制でPCを運用している方にはぜひともFLOWの活用をおすすめしたい。

■カーソル移動時のラグは1秒以内

 おそらく本製品で一番気になるのは、PC間のカーソル移動にどの程度の遅延が発生するかという点だろう。筆者が試したIEEE 802.11ac対応無線LANルーターによる環境では、カーソルがPCをまたいださいの遅延は体感で1秒はかかっていない。

 1秒以内なら十分だとは思うが、カーソルをすばやく動かした場合はカーソルがもう一方のPC側にその加速に追従して出てきてくれないので若干戸惑う。また、4Kディスプレイなどの大きな画面でマウスカーソルが小さくなっている場合などは、少しのラグであってもカーソルが思った位置に出てこず、カーソルを見失ってしまうことがあった。

 そのため、画面をまたぐさいは必然的にカーソルを動かす速度を緩めて使うようになる。ちなみに、WindowsとmacOS搭載PCでも試してみたが、Windows同士の場合と遅延の程度は変わらなかった。

■ゲーム時でもカーソルが表示されていればFLOWが動作する

 MX MASTER 2Sを使ってFPSなどをプレイする人はまずいないとは思うが、一応ゲーム起動状態でFLOWがどのように動作するかについても試してみた。

 筆者はPCでゲームをするために、ロジクールのゲーミングマウス「G403」を使用している。ご存知の方もいると思うが、ロジクールのスタンダードマウスとゲーミングマウスとでは、利用されるユーティリティが異なる。スタンダードマウスでは「Logicool Options」が、ゲーミングマウスでは「Logicoolゲーミングソフトウェア」が使われており、両者は共存可能だ。そしてマウスの感度なども別々の設定にしておける。

 FLOWが動作するのはFLOWをサポートするマウスだけなので、G403でカーソルを画面端に持っていったとしても、カーソルが捕らわれることはなかった。そのため、フルスクリーン状態でゲームをプレイしていても、FLOW非対応のマウスを使っているのであれば何も問題は起きない。

 逆にFLOW対応のMX MASTER 2Sでゲームをプレイしていた場合、カーソルが画面端に行くとやはりFLOWが動作するためカーソルが一瞬捕らわれる。ちなみにゲームがフルスクリーン状態(ボーダーレス含む)であっても、FLOWを使ってほかのPCにカーソルを移動させることが可能だった。

 ただ、FPSのように普段カーソルが画面に出ないゲームの場合はFLOWは動作せず、延々とマウスを別のPCの画面があるほうに動かし続けてもマウスカーソルのPC間移動は起きない。当然メニュー画面などを出した場合はカーソルが現われるので、その場合はFLOWが動作する。

 筆者が試したのはBattlefield 4とStardew Valleyの2タイトルだけだが、おそらくほかのゲームでも同じだろう。結論としては、カーソルが出るものでかつマウスの移動が多いアクション性の高いゲームでもないかぎり、FLOWが有効のままでもとくに問題はなさそうだ。後述するが、[Ctrl]キー押下時のみカーソルのPC間移動を許可することで、問題を回避することもできる。

 とはいえ、冒頭でも述べたとおり、MX MASTER 2Sは重量が150g近いし、ゲームに適したマウスとは言えないので、ゲーミングマウスと併用するのが賢明だ。

■Windows ←→ Macの異種間OSでも動作するFLOWのコピペ機能

 FLOWにはカーソルのPC間移動以外にも、コピー&ペーストを支援する機能が搭載されており、こちらも便利だ。

 昔ならPC間でのちょっとしたサイズのファイルのやりとりはUSBメモリを使い、今ならクラウド経由で行なっていると思われるが、FLOWを使えば一方のPCでコピーしたファイルを、別のPC上で貼り付けることができる。FLOWによるPC間の通信はSSL暗号化(AES 256bit)が使われており、ロジクールはセキュリティは万全であるとしている。

 FLOWのコピー&ペーストはWindowsとMac間でも利用でき、テキストといった文字列だけでなく、ファイルそのものも扱える。試しに3GBのISOファイルをコピペしてみたが問題なく実行できた。

 ちなみに、PC(1)でデータをコピーして、マウスもなにも操作せずにPC(2)側で貼り付けを行なっても、PC(1)のデータは貼り付けられない。これは、PC間でのデータコピーはFLOW対応マウスで一方のPCにフォーカスを移したときに機能するからだ。

 そのため、PC(1)で何かをコピーして、PC(2)側ですぐに貼り付けを実行しても、PC(2)のクリップボードにあるデータが貼り付けられるだけだ。逆に言うと、PC(1)でコピーを行なってPC(2)にカーソルを移動させると、PC(2)のクリップボードが上書きされてしまうのでその点は注意が必要だ。

 FLOWは同社のBluetoothキーボード「K780」、「K380」、「K375s」、「K370s」でも利用でき、これらのキーボードを使えば、PC間でのシームレスなキー入力がマウスカーソルを別のPCに移した瞬間から機能するようになる。FLOWによるコピー&ペースト機能はFLOW対応キーボードがあるとより便利になるだろう。

 なお、FLOWの設定画面には「リンクキーワード」という項目があるが、これは「リンクキーボードの」誤字だそうだ。なので、K780などのキーボードでFLOWを使う場合は、この項目を有効にしておく必要がある。

■FLOW対応マウスの同時利用は可能なのか?

 FLOW対応マウスは今回発表された「MX MASTER 2S」、「MX ANYWHERE 2S」、6月22日発売の「M590」および「M585」以外に、すでに発売済みの「M720」がある。

 筆者はM720を会社で使用しているので、家でMX MASTER 2S、会社でM720というFLOWの2環境体制を構築できる。前述のとおり、メインノートは家と会社の両方で使っており、家ではWindowsとMacを含めて3台構成のため、FLOWはぜひとも導入したい。

 Logicool OptionsのFLOWの設定タブには、FLOWで使用しているマウスを切り替えるための「お使いのデバイス」という項目が用意されている。両マウスそれぞれのペアリングが済んでいれば、どちらかを選べるようになっており、“MX MASTER 2S用のFLOW設定(3台のPC)”、“M720用のFLOW設定(2台のPC)”というようにマウスによって異なる画面設定を選べる。

 ただ、ユーティリティのバージョンの問題かもしれないが、家で使っているMX MASTER 2S用の設定が、会社で使っているM720の設定としてそのまま動作しているという奇妙な現象が起きていた。家の環境は3画面なわけだが、会社でも3画面表示になったままなのである。

 とはいえ、1つは「?」マークがついて認識されていないので、大きな問題はなかった。たとえば、3画面で使っていて真ん中のPCのみ「?」になっていた場合、「?」の画面は無視されるので、実質的に2画面隣り合わせと同じ挙動になるからだ。

 FLOWの設定画面を表示していないかぎり気づかないし、上記の「お使いのデバイス」から使っているマウスを明示的に指定すれば、意図したFLOWの設定が表示されるので、不都合は生じなかったが、左右の位置が逆転しているとそうもいかないので、気をつける必要がある。正直まぎらわしいので早いとこ修正してくれるとうれしい。

 あとは筆者の環境でしか試していないので、ほかでは再現されないかもしれないがMX MASTER 2SとM720を同じ場所で同時利用したさいに、FLOWが一方のマウスを検出しなくなるという症状が何度も起きてしまった。

 「お使いのデバイス」では両方表示されているのだが、一方を選択できなくなっており、Easy-Switchで意図的にペアリングを切り替えてもマウスが応答しない。どちらか一方の電源を切った状態では動作したため、同時利用ではFLOW側の動作に干渉が起き、マウスがうまく認識されなくなってしまうのかもしれない。

 FLOW対応マウスを同じ場所で同時に使うという状況はないと思うので問題はないだろうが、もし筆者以外の環境でも再現されるバグなのであればこれも修正を期待したい。

■ハードウェア的な使い勝手は大きさ以外不満なし

 MX MASTER 2Sのハードウェア部分についても触れておきたい。

 冒頭で述べたとおり、MX MASTER 2SはMX Masterの後継であり、センサーなどは変わっているものの筐体はほとんど変わっていない。ボタン数は合計7個となっており、ホイールにはホイールを横に倒して横スクロールを可能にするチルトホイールではなく、親指で操作するサムホイールが側面に用意されているのが特徴だ。

 筆者のPCの使い方では横スクロールを必要とする状況がほぼないため、ありがたみを感じられないのだが、Logicool Optionsから水平スクロール以外にも、アプリの切り替え、Webブラウザのタブ切り替えなどを割り当てられる。

 ボタン/ホイールの機能はアプリによって個別に動作を割り当てられるため、普段は水平スクロールにしておいてEdgeといったWebブラウザではズームイン/ズームアウトにするいった活用ができる。

 MX MASTER系のみの機能として、垂直ホイールの回転の挙動を回す速さによって自動的に切り替える「SmartShift」もあり、普段は回転ごとに抵抗がある「ラチェットモード」、高速回転時は抵抗がなく勢いよく回る「フリースピンモード」を使い分けることができる。

 Excelなどで膨大な行をスクロールさせる場合などは高速に回してフリースピンを有効化し、Webブラウザによるページの閲覧で上から少しずつ読んでいく場合にはラチェットモードで通常の使い方ができる。SmartShiftは無効化することもでき、ホイールの上側にある「モードシフト」ボタンを押すことで、ラチェット/フリースピンを任意に切り替えることも可能だ。

 ボタンは左右クリック以外に、本体左側面の進む/戻るボタン、本体下部の親指を置く張り出した場所にもボタンがあり、ここにはマウスジェスチャーでウィンドウの切り替えやスタートを表示するジェスチャーボタンが割り当てられている。もちろん変更も可能だ。

 ボタンのクリック感やホイールの使い心地は価格相応に申し分ない。ただ、本体サイズは85.7×126×48.4mm(幅×奥行き×高さ)と大きいので、手が小さい人は持ち方によってはホイールを操作しづらいと思われる。そういう方はモバイル版のMX ANYWHERE 2Sのほうが相性がいいはずだ。ただし、MX ANYWHERE 2SにはSmartShift機能がないため、ラチェット/フリースピンを手動で切り替える必要がある。

 PCとのペアリングを切り替えるEasy-Switchは本体の底面にあり、1/2/3番を1つのボタンで順次切り替える方式だ。以前は底面のEasy-Switchの配置が使い勝手を損なっていると思っていたが、FLOWの存在によって許容できるようになった。筆者の場合、Easy-SwitchはFLOWがうまく動作しない場合の救済的な使い方としてしか利用しなくなるだろう。

 バッテリ駆動時間も前モデルから2倍近く伸びたからか、今回の検証中に3メモリ分あるバッテリメーターが減ることはなかった。1カ月でも十分とは思うが、2カ月も保つとなれば年6回の充電で済むのひじょうに心強い。

■FLOWで画面位置を設定。複数ディスプレイは解像度合算で認識される

 ここでは2台のPCでFLOWの設定を行なっている。以下のキャプチャ画面にあるように、FLOWの設定ページを見ると、それぞれのPCの画面を示すウィンドウが表示される。ただ、解像度が異なるPCで接続していたとしても、この疑似ウィンドウの大きさは両者同じであり、サイズを変えるといったことはできない。また、ぴったりと隣り合う(もしくは上下に載せる)といった配置しかできず、高さをずらすといった置き方はできない。

 FLOW側はPCとそれぞれの解像度が異なっていても、内部的に表示されている画面の解像度を拡大/縮小して画面上下の位置を合わせているようだ。そのため、FLOWで画面を左右に並べた状態にし、それが解像度の異なるPC同士だったとしても、マウスカーソルを画面下のタスクバーの位置からもう一方のPCのほうに動かすと、同じくほぼタスクバーの位置からカーソルが現われるようになっている。もちろん画面中央から動かせば、同じく中央あたりからカーソルが現われる。

 そうなると、一方のPCのディスプレイ位置が高かったり低かったりした場合に扱いにくいという問題がある。また、デュアルディスプレイで拡張表示している場合に、FLOW側はその違いを認識できないようで、画面サイズを足し合わせた状態で認識する。筆者のように1,920×1,080ドットのノートPCとWQHD(2,560×1,440ドット)のディスプレイをつなげ、縦配置でデュアルディスプレイをしていた場合、FLOWは4,480×2,520ドットの画面サイズを備えたPCがあるものとして認識しているようだ。

 この場合にマウスカーソルをPC間で移動させると、ノートPCを左右に並べていたとしても、若干上下でずれた位置からカーソルが現われることになる。今回は製品発売前のLogicool Optionsを使っていたため、もしかしたら発売時点ではすでにこういった不備に対応したバージョンが配布されているかもしれない。

■画面端での操作に支障を来たす場合はユーティリティの設定で対処できる

 FLOWを有効化している場合、画面端にカーソルがいくと、FLOWが別PCへのカーソル移動と判断し、カーソルが一瞬捕らわれてしまう。たとえば、フルスクリーン化したアプリの閉じるボタンを押すときなどは、誤ってカーソルが行きすぎて画面端で捕まってしまうことが何度かあり、さすがにストレスを感じた。

 ただ、その解決手段として画面の隅からカーソルが移動できないようにする設定「画面の隅」が用意されており、画面端での操作でFLOWが邪魔だと感じたら無効化すればよい。

 また、画面間の移動を[Ctrl]キーを押した状態でのみ可能にする設定「コンピュータ間で切り替え」もあり、頻繁にカーソル移動をしない場合は[Ctrl]キーとの併用にしたい。いちいちキーボードに手を伸ばすのがめんどうだ、という人もいると思うが、そうであればマウスボタンのどれかに[Ctrl]キーを割り当てれば解決する。

■FLOWで起こる不便な症状

 細かい点だが、FLOWが有効にしている場合、PC間のつなぎ目となる画面端にウィンドウを持っていきスナップしようとしても、スナップの枠が表示されるだけでウィンドウの拡大が行なわれない。

 カーソルが端にあるとFLOWが別のPCにカーソルが移動したと判断してしまうからのようで、「コンピュータ間で切り替え」を[Ctrl]キーを押しながらの移動にするか、「画面の隅」を無効化することでマウスでもスナップができるようになった。

 とはいえ、スナップは[Windows]+[矢印]キーでも動作するので、設定を変えなくても利用は可能だ。

 また、FLOWが有効な環境で、FLOW対応マウスで操作しているPCでスリープやシャットダウンした場合どうなるかというと、当たり前だがほかのPCにマウスカーソルを移動できなくなる。

 マウスでスリープを解除できるようになっていれば、復帰後にFLOWが有効化されてPC間でのカーソル移動ができるようになるが、そうでない場合はEasy-Switchで切り替える必要がある。

 ただ、検証中にスリープから復帰したPCでFLOWがうまく動作せず、カーソルが別のPCに移動しないことがあった。その場合もEasy-Switchを切り替えて各々のPC上で動かすなどすれば再認識されるようになった。PC間のカーソル移動ができなくなったら、とりあえず手動でペアリングを切り替えてみよう。

■FLOWを使うには

 FLOWを使うには、MX MASTER 2Sを利用する複数のPC(最大3台まで)に専用ユーティリティ「Logicool Options」の最新版をインストールする必要がある。

 また、USB無線アダプタのUnifyingを利用しているPCであれば、気にしなくていいが、FLOWを使うほかのPCはBluetoothのペアリングを済ませておかなければならない。ロジクールのペアリング切り替え機能「Easy-Switch」は、Unifyingを含めて3台までのデバイスを認識できるが、FLOWもまた最大3台までに制限されているのはこのためだろう。

■MXシリーズの次の進化にも期待

 もはやマウスに革新的な機能を載せるのは難しいと思われるなか、ソフトウェア側で進化を図り、実用性を追求した点はさすがマウスデバイスの大手ロジクールといったところだ。

 最近ではスマートフォン/タブレットがあるので、複数のPCを使うという人は減っているかもしれないが、それでも複数のPCを使うことで効率を上げているユーザーは確かにいる。そういった多数派ではないユーザーのことを考え、FLOWという新たな機能を送り出したロジクールには、入力機器を取り扱うデバイスメーカーとして、ユーザーの利便性を高めたいという確かな信念を感じる。

 MXシリーズはこれからさらにどうやって進化していくのか、今はMX MASTER 2Sの便利さをかみしめつつ、次の仕掛けを楽しみに待ちたい。

PC Watch,中村 真司

最終更新:6/15(木) 9:22
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