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ボーイングがAI旅客機を計画、実現したら航空会社はどれだけ儲かる?

6/16(金) 8:00配信

THE PAGE

 航空機製造大手の米ボーイングはAI(人工知能)を使った旅客機のテスト飛行を2018年にも実施する意向を明らかにしました。パイロットの仕事はAIへの置き換えが容易であるという話は以前から言われていましたが、想像以上のスピードで社会のAI化は進みそうです。

AIに取って代わられるのは機械的で高度な知識を必要とする仕事

 ボーイング社の幹部は米紙の取材に対して、AIを使った飛行機の操縦技術について、2017年中にシミュレーターを使ったテストを実施する方針を明らかにしました。2018年には旅客機に同じシステムを搭載し、実機での飛行テストを行うことも予定しているということです。

 AIの普及によって多くの仕事が機械に肩代わりされるというのは、もはや社会的な常識となっていますが、すべての仕事がすぐにAIに取って代われるわけではありません。AIが代替しやすい仕事と代替しにくい仕事があるからです。

 もっともAIに代替されやすいのは、機械的な動作が多く、かつ高度な知識を必要とする賃金の高い仕事です。機械的な動作が多いといっても、賃金が安い単純労働の場合には、AIのコストの方が高すぎるため、割に合いません。その点、パイロットの仕事は機械的な動作が多く、かつ賃金が高いという特徴がありますから、AI化の対象になりやすいわけです。

パイロットの平均年収は2200万円

 現在でも、離陸後、上昇を終えてからの飛行(クルージング)や自動着陸システムなど、自動化はかなり進んでいます。最終的には当局の認可の問題や、乗客がAI操縦の飛行機に乗りたがるのかという問題がありますが、技術的に見た場合、パイロットの仕事をAIに置き換えることはそれほど難しいことではありません(緊急用に1名のパイロットだけが乗務するというやり方なども考えられます)。

 日本においてパイロットのAI化が進むのかは今のところ何ともいえません。ただ日本の航空会社の人件費は国際的にみて、突出して高いことで知られており、仮に本格的に導入された場合にはかなりのコストダウンが見込めそうです。

 厚生労働省の調査によると、2016年度における大手(1000人以上)航空会社のパイロットの平均年収は2200万円でした。AI化によってコストを半減できると仮定すると、ANAやJALといった大手には2000人以上のパイロットがいると考えられますので、1社あたりの削減額は220億円ということになります。

 これはANA全体が稼ぎ出す当期利益の5分の1に相当します。パイロットの場合には突出して人件費が高いという日本の特殊事情がありますが、多かれ少なかれ、AIによるコストダウンの波は、あらゆる業種に及んでくるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:6/20(火) 6:00
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