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<東芝半導体>鴻海・郭会長「経産省主導、不公平だ」

6/15(木) 6:50配信

毎日新聞

 【台北・土屋渓】東芝の半導体メモリー事業の買収に名乗りを上げている台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘会長が14日、台北市内で毎日新聞のインタビューに応じた。郭会長は「(売却先選定を)実質的に経済産業省が主導しており、不公平だ」と述べ、選定過程で経産省の介入があったと強く批判した。中国への技術流出懸念については「先端技術は日本で開発を続ける。外に漏らすはずがない」と反論した。

 --鴻海の買収には、中国への技術流出懸念が指摘されています。

 ◆鴻海は中国に工場がたくさんあり関係が深いので、経産省の一部の役人が懸念している。だが、私は単純に中国の市場が大きいから進出しているだけで、中国政府からお金は1円ももらっていない。競争相手に技術を漏らすことは何のメリットもなく、絶対にない。東芝の半導体メモリーを買収しても、最先端の研究開発は日本で継続して守る。

 --争奪戦の現状をどう見ますか。

 ◆実質的に経産省が主導し、不公平だ。(経産省が所管する)官民ファンドの産業革新機構は、東芝が実施した2度の入札に参加せず、我々の提案内容を見てから後で交渉に加わった。国際的入札ではありえないルール違反だ。しかも、(共同で出資を検討する)米アップルなどに経産省が「鴻海にチャンスはないから、手を組まない方がいい」と言って邪魔をしている。前代未聞で、法廷で争ってもおかしくない。

 --鴻海の買収案の優位性は?

 ◆長期的に安定した経営ができる。パソコン大手デルやキングストン・テクノロジー、アップル、アマゾンなど米国企業と出資の話をしているが、みな自社製品などに東芝の半導体を使っており、経営のサポートができる。鴻海とシャープの出資比率は4割以下に抑え、東芝の出資比率は少なくとも15%を維持したい。世界1位の韓国サムスン電子に追いつけるように研究開発投資に力を入れたい。

 【ことば】鴻海(ホンハイ)精密工業

 電機メーカーなどから電子機器の製造を請け負うサービス(EMS)の世界最大手。本社は台湾にあり、2016年の連結売上高は4兆3569億台湾ドル(約15兆8000億円)。1974年に創業した郭台銘会長が一代で築き上げた。米アップルのスマートフォン「アイフォーン」を生産するほか、ソニー、任天堂の製品も手掛けてきた。中国に多くの工場がある。16年8月にはシャープを買収した。

最終更新:6/15(木) 6:50
毎日新聞