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スペインのプレス部品大手が日本に開発・生産拠点、ホットスタンプの採用拡大狙う

6/15(木) 6:25配信

MONOist

 スペインのプレス部品メーカーであるGestamp Automocion(ゲスタンプ)は2017年6月14日、東京都内で会見を開き、東京駅近くにR&Dセンターを開設したと発表した。

【ゲスタンプが強みを持つホットスタンプの骨格部品】

 日系自動車メーカーでホットスタンプ材の需要が高まることに対応してR&Dセンターを新設した。シミュレーションで車両の衝突安全性能やホットスタンプ工程を検討する設備を備えている。取引先に常駐するエンジニアを含め60人の体制でスタートする。

 ゲスタンプは日系自動車メーカーとの取引拡大に注力しており、既に三重県松阪市に工場を設けてホットスタンプ(熱間プレス)の生産ラインを構築中だ。工場は2018年夏の本格稼働を計画している。

●日系自動車メーカーとの取引倍増を目指す

 ゲスタンプの2016年の売上高は75億4900万ユーロ(約9300億円)だが、日系自動車メーカー向けの売り上げは7%にとどまっているという。ゲスタンプ 会長のフランシスコ・J・リベラス氏は「グローバル販売で見れば、日系自動車メーカーのシェアは約30%、台数は2500万台の規模だ。これに対応して、日系自動車メーカーとの取引を2倍には増やしたい」と計画している。

 日系自動車メーカー向けの事業拡大は、ホットスタンプがカギになる。これまで日系自動車メーカーはコールドプレス(冷間プレス)で成形する高張力鋼板(ハイテン材)を中心に活用してきたが、今後はホットスタンプ材の採用が進んでいくという。

 その理由について、リベラス氏は「現在の冷間プレスで、さらに高強度の部品を生産するのは難しい。一方で、衝突安全基準は厳しく、軽量化への要求も高まっている。ハイテン材よりも軽いとなるとアルミニウムやCFRP(炭素繊維強化プラスチック)だが、今はコストが高過ぎる。そのため、ホットスタンプ材への需要が高まる」(リベラス氏)と説明した。日本では、B、Cセグメントとプレミアムモデルでのホットスタンプ材採用が進む見通しだ。

 日本のプレス部品メーカーもホットスタンプ技術の開発に取り組んでいるが、ゲスタンプの優位性として量産実績があるという。「日本のサプライヤーの技術の質や生産性は高いが、量産実績がまだ少ない。われわれは2017年末までに84のホットスタンプのラインが稼働する。自前で設備を構築できる強みもある」(リベラス氏)。松阪工場はまず1ラインで操業を開始し、3ラインまで拡張する計画だ。日系自動車メーカーの引き合い次第では新工場も設けるとしている。

●株主は三井物産

 ゲスタンプには、三井物産が出資している。2013年にゲスタンプの米国法人に資本参加して以来、連携を強化しており、2016年9月にゲスタンプ本社の株式12.525%を取得した。支払額は4億1600万ユーロ(約510億円)。

 「ただ出資しているだけでなく、ゲスタンプの各国の拠点に人員を派遣している。日本での事業拡大に当たっては、日本独自の商慣習など含めてわれわれがサポートしていく」(三井物産 常務執行役員で鉄鋼製品本部長の勝登氏)

最終更新:6/15(木) 6:25
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