ここから本文です

“かかしアート”名画の再現も 安堵町民有志ら製作 人口減でも町元気に 奈良

6/15(木) 7:55配信

産経新聞

 人口減少に悩む安堵町が、「かかし」を用いた町おこしに取り組んでいる。町民有志でつくる実行委員会が主導し、廃材や布切れを持ち寄って製作。田園風景が広がる町内に、40体を超えるかかしがアート作品のように並び、ささやかなにぎわいをもたらしている。

 のどかな田園風景に溶け込む3体のかかし。見覚えのある構図はミレー作「落穂拾い」を模したものだ。このほか、戦前に町内を走っていた「天理軽便鉄道」の駅舎で待つ人々を表した作品など、テーマやストーリー性を持たせたかかしが、一つ一つ違う表情を浮かべながらたたずむ。

 同町では昨年6月、住民有志でつくる「オブジェ『案山子(かかし)』製作展示実行委員会」が発足。JA女性部や消防団など各種団体も加わり、布や角材など各家庭から不用品を持ち寄っては、仕事の合間に製作。現在、役場前や安堵中央公園など、町内10カ所に計約40体を飾っている。

 「かかしで町おこし」の取り組みには、「人口減少が進む町を明るくしたい」という町民の思いが込められている。

 町の人口は平成7年(8941人)以降年々減少し、今月1日現在は7533人。約20年間で1400人近く減少しており、平成26年に「日本創成会議」が発表した調査では「消滅可能性都市」の一つに挙げられた。

 同町理事の中野彰宏さんは、「かかしが人口にカウントされることはないが、『かかしも町民』という、住民らが発案した“しゃれっ気”で、ユーモアあふれる町にしたいという思いがある」と話す。

 実行委会長で「落穂拾い」を模したかかしを製作した森中茂さん(66)は、「神戸から作品目当ての観光客がきたり、カメラマンが撮影にきたり、少しずつ人気が広がっている。アート作品と思ってこだわりながら製作を続けたい」と笑顔を見せる。

 町は今後、かかしをテーマにしたイベントも企画するといい、町の新たな魅力発信につなげたい考えだ。

                   ◇

 ■製作ボランティア募集

 町は、かかしの製作に必要な材料と、製作ボランティアを募集している。材料は、衣類▽履物▽木材▽タオル・布類▽針金ハンガー-など。役場に持参できない場合は、町内に限り職員が回収に赴く。問い合わせは、町産業建設課(電)0743・57・1519。

最終更新:6/15(木) 7:55
産経新聞