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鳥獣被害3億8300万円 28年度の農作物 生息域拡大し3%増 栃木

6/15(木) 7:55配信

産経新聞

 平成28年度のイノシシやシカなど獣類による農作物被害額が前年度比3%増の3億8300万円に上ることが、県のまとめで分かった。野菜や果実を好むハクビシンによる被害が前年の2倍近くになり、他の獣類を含めて全体的に生息域が拡大していることが要因という。一方、林業は、クマによる剥皮(はくひ)被害が大幅に減少したため、27%減の3億6千万円だった。(楠城泰介)

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 県農村振興課によると、鳥類被害は5%減の8100万円、獣類被害は5%増の3億200万円。獣種別では、イノシシによる被害が1億5400万円(13%減)で最多。ハクビシン4600万円(92%増)▽シカ4600万円(2%増)▽サル3500万円(9%増)▽クマ800万円(60%増)-などと続き、ハクビシンやクマの増加が目立った。

 作物別で被害が最も多かったのは稲の1億6千万円で、野菜は1億2100万円。県は鳥獣の捕獲や侵入防止柵の設置補助などで被害の軽減に取り組むが、被害額は横ばい状態が続き、減っていないのが現状だ。

 同課は「侵入防止柵などの対策を取っても、柵のない別の場所に移動してしまう。対策を取っている場所は被害が減少しているので地道に対応するしかない」とする。

 林業では、日光市や鹿沼市など県西部の標高約1千メートル以下のスギやヒノキを中心に被害面積は65ヘクタールで、被害額は、シカが5%減の2億1千万円、クマが44%減の1億5千万円だった。シカによる被害面積は11%増の40ヘクタールだったが、幼齢木の被害割合が前年度より大きかったことから全体の被害額は減少した。

 獣類の捕獲状況は、ドングリが不作だったため、イノシシやクマ、サルが例年より里に多く出没したという。イノシシ1万3442頭(76%増)▽シカ8735頭(25%増)▽サル586頭(33%増)▽クマ69頭(146%増)-となった。イノシシとシカの捕獲数は過去最多。

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 ■「早く手を打って」 県東に対策協議会設立

 作物や木々への食害で農業や林業に被害をもたらすシカの生息域が県東地域に広がる懸念があるとして、関係者が連携して被害防止策を協議する県東地域ニホンジカ対策協議会が設立された。

 日光市など県西部ではシカの食害で農林業や貴重な植物など生態系に大きな被害が出たとして、捕獲や柵による侵入防止などの対策が取られてきた。さらにここ数年、県東部で目撃情報が増え、県は「被害が出る前に対策を取りたい」として、国の出先機関や関係市町、各地の森林組合、猟友会の関係者で構成する協議会を立ち上げた。

 協議会には大田原市など県東部10市町が参加。東北自動車道東側を情報収集の対象とし、県塩谷庁舎(矢板市鹿島)で開かれた第1回会議では、目撃や捕獲した場合の連絡方法、食害や侵入への防止策が説明された。

 出席者からは「県西部のようにならないうちに早く手を打っていただきたい」と要望や質問が出た。

 協議会の会長を務める県自然環境課の琴寄行雄課長は「(県北東部の)八溝地域の森林で良質な材木が育っているが、シカの食害で皮をはぎ取られたり、新しく植え替えるところで苗を食べられたりしたら大きなダメージになる」と早期対策の重要性を訴えた。

最終更新:6/15(木) 7:55
産経新聞

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