ここから本文です

【前JFA技術委員長・霜田正浩氏観戦記】百戦錬磨だからこそ本大会でも勝ち点「拾える」

6/15(木) 11:03配信

スポーツ報知

◆2018年ロシアW杯アジア最終予選B組 イラク1―1日本(13日、イラン・テヘラン・パススタジアム)

 最高の結果でないため評価が分かれるが、過酷な条件下で最低限の勝ち点1をもぎとったという印象だ。

 百戦錬磨のバヒドも悩んだに違いない。井手口と酒井宏のけがで交代枠を2つも使わざるを得ない状況で、乾や浅野ら“切り札”の投入ができなかった。不測の事態でなければ彼らを起用しただろう。だが、結果的に今野と酒井高を選択した。それは最後まで勝ち点3を狙いながら「絶対に負けない」という意思表示だった。

 何事にも勝ち気で、常にリスクを取るチャレンジをいとわない性格。親善試合なら“イケイケ”な采配を振ったかもしれない。だが、W杯予選は一発勝負ではない。まだ2試合ある。引き分けでも首位は変わらない。判定、気候、けが人と自分たちでコントロールできない悪条件が重なった。それも踏まえ、自分たちでコントロールできることだけに集中し、勝ち点を拾いにいった。

 経験が浅い監督なら攻撃的カードを切り勝っていたかもしれない。しかし、筋書き通りに試合を運べない状況で臨機応変に指揮する。W杯で勝つために彼を招へいした。悪い条件が重なっても負けない。勝ち点1の重みを熟知している。それらを今回、再認識した。W杯本番でも勝ち点を「拾える」力は必要なのだ。

 この引き分けで、一部にはW杯出場が危うくなったような危機感もあるが、それほど不利ではない。8月末、相手は真冬のオーストラリアから真夏の日本に来る。日本のアドバンテージは明らかだ。(日本サッカー協会・前技術委員長)

最終更新:6/15(木) 11:03
スポーツ報知