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【夢を追う】ボーカルユニット・ビーグルクルー(3)天から音が降ってくる

6/15(木) 7:55配信

産経新聞

 《野球選手の応援歌など、これまでに作った楽曲は200を数える》

 YASS 応援歌や登場曲を作る場合、その選手と仲良くなり、人物像を理解してからでなければ先に進めないんです。

 日本ハムの中田翔選手の登場曲「My HERO」には、とりわけ思い入れがあります。

 中田選手とは、平成25年夏に出会いました。ホークスの森福允彦(まさひこ)投手(現巨人)の登場曲「Try again」を聴いて、気に入ってくれたようです。

 「中田選手がビーグルクルーの曲を繰り返し聞いている」。そう共通の知人である理学療法士の男性から聞き、驚きました。

 中田選手といえば、甲子園を沸かせたスター選手です。早速、紹介してもらい、福岡市内の居酒屋で、酒を飲みました。

 うまが合いました。

 「よし、カラオケでも行こう。敬語で話すのは、やめよう」。年上の僕が、誘いました。

 カラオケでは、僕らの歌を絶賛してくれました。その日は心地よく酔いました。

 その年の冬、中田選手から登場曲作りの依頼を受けました。「俺はホームランバッターとして頑張る。ビーグルクルーも絶対に有名にさせる」と言ってくれました。

 自主トレやキャンプ地の中田選手に、曲のデータを送りました。数回、NGが出た後、完成したのが「My HERO」です。

 中田選手は豪快で強気な面ばかりではなく、実は繊細な一面もある。

 例えば、わずかでもバットの芯を外すとボールの行方に大きな差が生じる。そんなシビアで繊細な世界で闘っている。それを音楽で伝えたかった。

 あこがれのヒーローでもあり、僕たちの友達。そんな思いも込めました。

 中田選手も喜んでくれました。「My HERO」のミュージックビデオに、登場してくれたぐらいです。この曲は、動画投稿サイトでの再生回数も多い。春や夏の甲子園のスタンドで、高校生が演奏することもあります。

 そんな高校生に、僕らのライブに気軽にきてほしい。そう思って、今年の全国ツアーは、高校生以下は無料にしたんです。

 《楽曲作りは、YASSが手掛ける》

 YASS 音が天から、ふっと降りてくるような感じがします。頭の中ではいつもメロディーがグルグルと回っています。

 僕はビーグルクルーとして以外にも、曲作りの仕事をしています。「ワクワクするような感じの曲」といった依頼に合わせて、曲の流れを作ります。それをボイスレコーダーに吹き込んだり、メモしたりする。

 NARI 一緒に打ち合わせをしていても、YASSはトイレに立って、戻ってくるまでのほんのわずかな時間に、音を吹き込んでくる。とにかくすごいんです。

 YASS 曲作りでは、朝から晩まで、自宅のスタジオにこもります。気分転換用に、筋トレ用のベンチプレスセットも置いています。

 作詞の言葉選びでは、あまり奇をてらわないようにしています。

 経験を積み重ね、知識も増えると、いろんな変化球を投げてみたくなる。でも、まっすぐな思いを書く方が良いと思っています。それは今も昔も変わりません。

 路上ライブを始めたころは、「平和」や「生きているだけで幸せ」といった言葉を並べていました。その前にイラク戦争(2003年)が始まった影響もあります。

 その後も「カレンダーに『歌の日』を作り、皆で休んじゃおう」とか、若いころにしか書けない歌詞も多かったですね。

 お蔵入りした曲もありますが、どれも新たに音を取り直し、世に出したいと思います。

 いずれにせよ、音楽一色の日々が続きます。

最終更新:6/15(木) 7:55
産経新聞