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【岩政大樹 オン・ザ・ピッチ】隙狙う“目”失わなかった本田と麻也

6/15(木) 10:02配信

スポーツ報知

◆2018年ロシアW杯アジア最終予選B組 イラク1―1日本(13日、イラン・テヘラン・パススタジアム)

 死闘と呼ぶにふさわしい試合でした。アップで映し出される選手の口は暑さで渇ききっていました。

 私は決して悪くない結果だと思いましたが、選手や監督の表情は敗戦の後のようでした。勝利にこだわっていたことがにじみ出ていて、同時にオーストラリアとサウジアラビアとの直接対決に不安を抱えていることもうかがわせました。

 試合は大迫選手の見事なバックヘッドで幸先よくスタートしました。コーナーキックに対して、少し戻りながらヘディングするのはとても有効。マークする選手はボールにアタックしようにも、大迫選手の体を押すわけにいかないため、チャレンジすることができないからです。シュートは当て具合の難しいものになりますが、狙い通りに当てることができていました。

 ただ、立ち上がりの得点は、しばしば試合を難しくします。勝利にこだわる試合ではなおさら。試合をしながら「勝たなければ」「失点は避けなければ」と思い、心にどこかブレーキをかけてプレーしてしまうのです。すると、相手の穴を見つける“目”を失い、リスクのことばかり考えてしまい、結果的に相手に付け入る隙を与えてしまうことになります。

 そんな中、本田選手と吉田選手は“目”を失わずにプレーしていました。相手を見て、スペースを見つけ、そして吉田選手から本田選手への縦パスからチャンスへの道筋を探し当てていました。2人とも試合を決定づける働きはできませんでしたが、こうした緊迫感のある試合でも、冷静に相手に合わせて(プレーを)変化させられる強さを持っていました。

 これを「経験」といってしまえばそれまでですが、個人としてもチームとしても、リスク管理(約束事)とチャレンジのバランスを検証し、次につなげてほしいと思います。サッカーは攻守一体なので、リスク管理に比重を置きすぎることもリスクになってしまいます。(東京ユナイテッド、元日本代表DF)

 ◆岩政 大樹(いわまさ・だいき)1982年1月30日、山口・周防大島町生まれ。35歳。岩国高、東京学芸大を経て2004年に鹿島入り。南アW杯日本代表。14年にテロ・サーサナ(タイ)、15年から2年、岡山でプレー。現在は関東1部の東京ユナイテッド選手兼コーチ。187センチ、85キロ。既婚。

最終更新:6/15(木) 10:03
スポーツ報知