ここから本文です

水上バイク暴走防げ 航行速度検証、大岡川で初の実験 神奈川

6/15(木) 7:55配信

産経新聞

 水上バイクの“暴走”を防ごうと、横浜市中心部を流れる大岡川で、水上バイクの適正な航行速度を検証する実験が初めて行われた。レジャー目的による河川利用者が増えるなか、安全確保やマナー向上につなげたい考えだ。 

 検証実験は親水施設「川の駅 大岡川桜桟橋」(同市中区)で実施。市民らで組織する「大岡川 川の駅運営委員会」や水上バイクの販売店などで作る団体「東京港・湾・河川 水上オートバイ安全航行推進プロジェクト」(TPSP)のメンバーなど約50人が参加した。

 ◆引き波で落水も

 実験では、水上バイク2台が時速3~15キロで同川を航行。その際に発生する引き波が、カヤックなどの非動力船へ与える影響を確認した。

 水上バイクが時速15キロで航行した場合、引き波が岸壁に当たって反射し、複雑な波になることが分かり、すれ違った「カヤック」やスタンドアップパドル・サーフィン(SUP)などで使用される「スタンドアップパドルボード(SUPボード)」は、前後左右に揺れ、バランスを崩して利用者が落水するケースが見られた。

 SUP愛好者の柿沢裕子さん(49)=同区=は「波が予測不可能な方向から来るため、バランスを崩しやすく、立っているのが精いっぱいだった」と振り返った。

 水上バイクが同川を航行する際の速度制限は現在のところないが、検証の結果、非動力船の付近は低速での航行が適切として、同運営委員会では今夏に作成する安全利用ルールに適正速度を盛り込む方針だ。TPSPの長谷川辰事務局長(53)は、「事故が起きてからでは遅い。事故が起こる前に、未然に防ぐことが大切。大岡川の利用者に地域のルールを周知させていきたい」としており、将来的には市条例化を目指す考えを示した。

 ◆災害時の活用期待

 関係者によると、同川では4年ほど前からカヤックやSUPの愛好家が増え始めたという。水上バイクの利用者も2年ほど前から増え始め、接触事故の懸念が高まっていた。

 レジャー目的が中心となっている水上バイクだが、東日本大震災の発生時には、孤立した住民を救助する際に活用されるなど、防災面での活用も期待されている。プロペラの露出がなく浅瀬を航行でき、人を巻き込む危険性が少ないため、人命救助に適しているとされている。

 水難救助や新たな交通手段としての活用も視野に入っており、安全な操船技術と救助技術などの講習会で水上バイクの普及や利用の啓発活動に取り組むことで、「暴走や騒音に配慮するなど、水上バイクのイメージを改善していきたい」(関係者)としている。(王美慧)

                  ◇

【用語解説】スタンドアップパドル・サーフィン(SUP)

 ボードの上に立ち、パドルを使って水面を漕いで移動するスポーツで、長距離移動にも適している。サーフィンで使用するボードよりも大きくて長いボードを使用するため、浮力や安定性が高く、比較的簡単に乗ることができる。県内では湘南海岸などを中心に愛好家が増えている。

最終更新:6/15(木) 7:55
産経新聞