ここから本文です

<ハンセン病>療養所 修学旅行で注目

6/15(木) 12:34配信

毎日新聞

 岡山県瀬戸内市にある国立ハンセン病療養所「長島愛生園」と「邑久光明園」が修学旅行の訪問先として注目を浴びている。県やホテル業界などでつくる団体が誘致を進めているためで、昨年度に修学旅行で訪れた児童や生徒は約500人に上る。県外の若い世代がハンセン病問題を知るきっかけになると期待される。【竹田迅岐】

 6日、ハンセン病の歴史をたどるパネルなどを展示する長島愛生園の歴史館。全国有数の進学校・開成高校(東京)の男子生徒3人が訪れ、学芸員の田村朋久さん(40)から説明を受けた。ハンセン病が伝染しやすい病気だという誤解から患者が強制的に隔離されたこと、病気が治った後も差別が続き古里に帰りたくても帰れない人が今もいること……。生徒たちはそうした経緯を知り、驚いた様子を見せた。その後は納骨堂や収容所、消毒風呂も見学。入所者に会い、当時の体験に耳を傾けた。

 開成高2年の大本奏(かなで)さん(17)は「入所者の俳句などを読み、故郷への思いを感じた。愛生園で見たことを他の人にも伝えていきたい」と話した。

 歴史館は2004年に全館オープン。以降、議会の視察や企業の研修などで園を訪れる人が増えるようになった。そうした中、園内のガイドをしている田村さんが「若い学生にもっと差別の歴史を知ってほしい」と考え、県内への修学旅行の誘致などをしている「県教育旅行誘致推進協議会」(県やホテル業界などで構成)に修学旅行のプログラムに両園を組み込むよう提案。協議会は「人権教育の場としてふさわしい」と同調し、全国の小中高校に呼び掛けることを決めた。

 協議会は15年にPR資料「教育旅行ガイド」を刷新し、従来の約4倍のスペースとなる丸1ページを割いて両園を紹介。東京や大阪、愛知などの学校へ営業に出掛けるなど、積極的な誘致活動を展開するようになった。今月に中国と四国を修学旅行で訪れた開成高には、協議会が普段から連携している旅行代理店が紹介した。校内で周知してもらうと、3人が自由時間で訪れたいと申し出たという。

 協議会は「これからも誘致に力を注ぎ、若者たちが人権教育を学べる機会を増やしていきたい」と話している。

最終更新:6/15(木) 12:34
毎日新聞