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大川小津波訴訟控訴審 石巻市・宮城県側、生存教諭の書面尋問申請へ

6/15(木) 7:55配信

産経新聞

 ■遺族側は「出てから議論」

 東日本大震災の津波で児童ら84人が犠牲になった石巻市立大川小の児童23人の遺族が起こした訴訟の控訴審の第3回口頭弁論が14日、仙台高裁(小川浩裁判長)で開かれた。閉廷後の記者会見で被告の市と県は、唯一生き残った男性教諭の書面での尋問を申請することを明らかにした。次回は7月19日。

 被告側は合同準備書面で、マニュアルの作成は努力義務に留まるとし、大川小の危機管理マニュアルは法律上問題なかったと主張。「数百年から千年に1度の規模の津波に対応する完璧なマニュアルを策定することは不可能」と反論した。閉廷後に行われた会見でも「事前の備えも、学校保健安全法に基づく要請に基づき、しかるべき対応をしていた」と主張した。また被告側の代理人は、生き残った教諭に対し、次回期日までに書面尋問を申請することを明らかにした。

 一方、原告側は準備書面で、校長らについて「津波から児童を守るためのマニュアルを整備する義務を怠った」などとし、県教委、市教委に関しても「各校が適切な津波対策を作成・整備していたかを確認・指導すべき義務を怠った」とした。加えて「教員らは、マニュアルの内容が不十分であっても児童らを避難させるための方策を指示すべきことは当然」と指摘した。

 原告側の会見で、小学3年の長女=当時(9)=を亡くした男性は「(市や県は)今も震災から学ばずにいる。また津波が来たら同じ対応をするのか」と訴えた。

 また、原告の遺族側は生存教諭の尋問について「申請が出てから議論する」とした。

 昨年10月の1審仙台地裁判決は「教員らは津波の襲来を予見できた」と指摘。教員には裏山に児童を避難させなかった過失があると判断し、市と県に14億円余りの賠償を命じた。

 大川小では児童74人と教職員10人が津波で犠牲になった。

最終更新:6/15(木) 7:55
産経新聞

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