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万博4カ国混戦、決選投票も 松井知事「負けていない」

6/15(木) 16:39配信

朝日新聞デジタル

 2025年開催の国際博覧会(万博)に立候補している日本など4カ国は14日、パリで開かれた博覧会国際事務局(BIE、170カ国)総会でのプレゼンテーションを終えた。フランス、ロシア、アゼルバイジャンと争う混戦の中、日本は技術力を駆使した万博構想をアピール。開催地は18年11月のBIE総会で加盟国の投票で決まる。

【写真】フランスのプレゼンでは、宇宙飛行士のクローディー・エニュレ氏が登壇した=14日午後0時4分、パリ

 「油断はできないが、負けてはいないと思う」。加盟国代表を前に初めてプレゼンをした誘致委員会会長代行の松井一郎・大阪府知事は振り返った。

 「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに大阪開催を目指す日本はプレゼンで、ライフサイエンスの研究拠点が集積する大阪、関西の強みを生かした「課題解決型の万博」を前面に打ち出した。BIEが1994年に万博のあり方として示した「現代社会の今日的なテーマを持つ地球的課題解決の場」の趣旨に沿うと訴えるためだ。

 安倍晋三首相はビデオメッセージで「新しい未来社会の可能性をこの場所から」と強調。登壇した榊原定征誘致委会長(経団連会長)は「我々が目指す未来社会とはグローバルな課題を解決した姿」と訴えた。松井知事は売り手、買い手、世間が満足できる「三方良し」など関西の文化も紹介した。

 一方、「分かち合う知、守るべき地球」を掲げるフランスは、地球温暖化問題に取り組む「パリ協定」を結んだ立場から環境を重要な課題と設定。プレゼンで19世紀の万博で建設されたエッフェル塔など豊富な開催実績を映像を交えて強調。女性宇宙飛行士のクローディー・エニュレ氏は「人間という価値を守るのは我々の義務でもある」と支持を呼びかけた。

 ロシアは「世界を変える:変革と生活の質」をテーマに挙げ、「もっと世界が融合できるきっかけにしたい」と説明。20年万博の誘致でドバイに敗れた経験も踏まえ「選ばれれば後悔させない」と繰り返した。

 「人という資本」を掲げたアゼルバイジャンは豊富な文化遺産と、高層ビルが立ち並ぶ近代的な開催候補地の首都バクーを紹介。「美しい街を見に来てほしい」と訴えた。ただ総会でアゼルバイジャンと対立する隣国アルメニアの代表が「ふさわしくない」と発言。アゼルバイジャン代表が反発する一幕もあった。

 開催地を決める1国1票の投票では、3分の2以上の票を得れば開催地に決まる。どの国も届かなければ、最下位を除外していき、2カ国に絞られた決選投票では過半数で決まる。日本の誘致委幹部は「複雑で予想できない」と語る。

 政府は今後、支持を求め、各国に働きかけを強める。閣僚らも外遊の際などに支持を訴える方針。誘致を目指す超党派の議員連盟会長の二階俊博・自民党幹事長も13日、ソウルで柳明桓・元外交通商相らに「大阪万博が成功できるようにご支援を」と要請した。(パリ=上田真由美、山岸一生)

朝日新聞社