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市民運動萎縮を懸念=「監視拡大の恐れ」―共謀罪成立で

6/15(木) 14:48配信

時事通信

 犯罪の計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法。

 政府は「一般市民は対象外」と説明するが、市民運動の参加者らからは「拡大解釈の恐れがあり、監視強化で運動が萎縮する」と懸念の声が上がる。

 自衛隊のイラク派遣反対を訴える集会を陸上自衛隊が監視し、参加者らの個人名などを記録していたとして、差し止めや損害賠償を求めた訴訟で原告団長を務めた仙台市宮城野区の写真家後藤東陽さん(92)は「市民活動が萎縮してしまう」と危機感を強める。

 訴訟では男性1人について、本名や勤務先の情報収集はプライバシー権の侵害で違法とした仙台高裁判決が確定。後藤さんは「国民監視は人権じゅうりんと裁判所が認めた」と評価する一方、「共謀罪は権力をいっそう強化し、国民を縛り上げてしまう」と指摘。戦時下の治安維持法を挙げ、「拡大解釈され、監視が当たり前の世の中になってしまうのではないか」と話した。

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設をめぐり、反対運動を続ける沖縄平和運動センター議長の山城博治さん(64)は「基地反対や反原発などの『反政府運動』をどうにかしたいということだろう」と語る。

 山城さんは威力業務妨害や傷害などの疑いで逮捕され、約5カ月間勾留された。検事らが写真や映像を見せながら共犯者を特定しようとしたと明かし、「共犯者を次々拡大しようとする今の捜査当局の動きからすれば、今回の法律はそれを後押しし、強固にする」と不信感をあらわにした。

 学生らでつくる団体「未来のための公共」の中心メンバーで、大学3年の馬場ゆきのさん(20)は「一般人の定義が曖昧で、逮捕までいかなくても監視の対象になるかもしれない。萎縮は絶対すると思う」と今後の活動に懸念を示す。

 安全保障関連法に反対した学生団体「SEALDs(シールズ)」の元メンバーらと今年3月に新団体を設立し、国会前で抗議活動を続けてきた。当面、法律が施行されるまでは反対の声を上げ続けるという。 

最終更新:6/15(木) 15:03
時事通信

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