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大阪・豊能にシソ科の希少種「シロミノヤブムラサキ」 地域住民ら保護活動

6/15(木) 7:55配信

産経新聞

 ■兵庫・洲本に続き2例目

 秋に紫色の実をつけるシソ科の植物「ヤブムラサキ」の新品種で、白い実をつける「シロミノヤブムラサキ」が、大阪府豊能町で発見されていたことがわかった。これまで兵庫県洲本市でしか見つかっておらず、今回が2例目。この季節が開花時期で、発見した菅久さん(66)=兵庫県川西市在住=は「地元の人たちと協力しながら、貴重な植物を守っていきたい」と話している。

 シロミノヤブムラサキは、シソ科ムラサキシキブ属に分類され、紫の色素がないのが特徴。花も実も白く、新枝も緑がかっているところが、ヤブムラサキとの大きな違いだ。同属のムラサキシキブやコムラサキシキブも紫の花が咲き、紫色の実がなるのが一般的だが、白い実をつける品種もある。

 虫や動物でも色素が抜けて白くなった個体が話題になることがあるが、植物の場合も同様で突然変異と考えられる。シロミノヤブムラサキは洲本市で初めて確認され、平成6年に新品種として発表された。同市は翌7年に天然記念物に指定し、同株を保護している。

 能勢周辺の里山整備や保全活動を行う「川西里山クラブ」に所属している菅さんによると、20年11月に偶然、普段から行っている植物の観察中に、妙見山のハイキングコースであまり見かけない白い実を発見。23年に大阪市立自然史博物館の学芸員だった志賀隆さん(現・新潟大教育学部准教授)に鑑定を依頼し、シロミノヤブムラサキと確認されたという。志賀さんによると、洲本市で発見された個体とは関連が薄く、いずれも何らかの影響で色素が抜けたとみられる。

 2例しかない貴重性から、菅さんらは持ち去りなどを懸念して公表を控えてきたが、自治会や地域住民らが町に対して保護対策を要望。さし木で株を増やすなどの保護活動を展開しており、今後はまちおこしに活用していく方針だ。

 志賀さんは「園芸的価値は非常に高い。こういった珍しい植物は、地域の自然に関心が高まるきっかけにもなるので、地元の宝として大切に育ててほしい」と話している。

最終更新:6/15(木) 7:55
産経新聞